先日鳥越俊太郎氏の「歳には勝てる」(マガジンハウス)という本が図書館で目に留まったので借りて読んでみた。30分ほどでさらりと読める本だ。こういう本は・・などというと筆者に叱られるかもしれないが、一つか二つ共感し、自分の考え方をenhance(補強する)ところがあれば良いと思う。しかし逆はダメだ。人が書いた本の中に何かを求めても、そこで得るものは少ない。
さて「歳には勝てる」で一つ共感したところは「若さ帰らず、しかし・・・」の中の「仕事でもいい、趣味でもいい、少なからず何かをやっていたら、顔や体が垂れ下がろうと、二重顎になろうとも、それはそれで生き生きとしている。・・・・僕(鳥越氏)は六十五歳だけれど、気持ちなかでは若い頃と何も変わっていない。昔と同じように、いろいろなものに興味がある。」
この話のポイントは好奇心を持ち続けると、いつまでも生き生きとしていることができるということだろう。
医学的に完全に立証されているのかどうかは知らないが、感動すると脳内神経伝達物質が分泌されて脳が活性化するという話を耳にすることがある。仮に医学的に完全に立証されていなくても、美しい風景に接すると感動して、気持ちが良くなり、生きていて良かったと思うことは多い。
好奇心を持ち、新しい発見(自分として)に感動する。そして新たな好奇心を持つというポジティブな循環を作り出せたらいいな、と思う。
一つ二つ私の考えを加えると、好奇心を持続させ感動に結び付けるには、頭の中の動きだけではダメで、肉体の動きを伴う必要があると私は考えている。
つまりパソコンやスマートフォンの中で探し物をして、それに満足していてはいけないと私は考えている。感動はバーチャルでは得られない。体を動かして、汗をかいて、時には寒さをひしひしと感じながらリアルの世界に接する中に感動はあると私は思っている。
そしてその感動を多くの人と分かち合えるスキームを作り、人々の好奇心と感動が良い循環をする社会をつくるために多少なりとも貢献することができれば幸せである。