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山好き金融マン(OB)のブログ
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【イディオム】Brick-and-Mortar 米国で小売店舗の閉鎖が加速

2017年04月23日 | 英語・経済

Brick-and-Mortarは直訳すると「レンガとモルタル(セメント)」であり、Brick-and-Mortar Storeというとレンガとモルタルでできた店舗ということになるが、現在ではオンラインショップに対する店舗販売(を行う会社)を指す。

米国で小売業の販売店が凄まじい勢いで閉鎖に追い込まれているという記事がWSJにでていた。原題はBrick-and-Mortar sotres are shuttering at a record pace.サブタイトルはYears of overbuilding and rise of online shopping have come to a head.である。

「小売店舗の建設過剰とオンラインショップの台頭で店舗販売の破たんの機が熟している。」という意味だ。Come to a headのheadは「頭」であるが、腫物という意味もある。Come to a headというと「腫物が膿んで口が開きそうになる」「土壇場に来る」という意味だ。

記事によると年初来2,880店舗が閉鎖に追い込まれた。このペースで閉鎖が進むと年間では8,600に達し、リーマンショック後の6千店舗の閉鎖を上回り史上最高にまりそうだ。

記事によると、小売店の建設過剰の原因は約30年前の消費景気とイージーマネーに煽られて、小売業者が開店ラッシュに走ったことにある。つまり小売店建設バブルだった訳だ。同時期に米国では住宅バブルが発生していたが、そちらは既に破裂している。その小売店バブルの崩壊が始まったということだ。

オンラインショッピングは本から始まった。手に取ってみたり試着することが好まれる衣料品などでは、実店舗の商売にも存在意義があると考えられていたが、オンライン店舗の「無料お取替えサービス」などに押されて店舗販売は縮小する一方だ。

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アメリカで起きた経済現象はあるタイムラグをもって日本でもおきる。小売業の閉店については人口減少が進んでいる日本の方がもっと進みそうだが、日本では商売が成り立っているのかどうか疑問の店でも開いている場合がある。これは税制等が影響しているのかもしれない。

しかし経済的にみて非合理的な活動はいずれ終焉を迎える。不動産に係るバブルの崩壊という意味では日本の場合は今起きているアパート建築バブルの崩壊の方を懸念するべきかもしれないが。

 

コメント
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