金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

武大偉特別代表、来日予定。さて協議の行方は?

2017年04月26日 | ニュース

昨日(4月25日)の北朝鮮人民解放軍の創立記念日には、核実験・ミサイル実験はなく、通常火器の大規模実弾演習に終わった。これは大方の予想通りだったのではないだろうか?

ただし何ら問題は解決していない。今日中国の武大偉特別代表が来日して、外務省の金杉アジア太平洋局長と会談をする予定だ。

交渉にはレバレッジ(交渉の梃子になる材料)が必要だが、日本がどのようなレバレッジが使えるのか分からないので、私はあまり会談の直接的な効果は期待していない。

ただし北朝鮮側は最大の貿易パートナーの中国の出方には神経を尖らせていると思う。

CIAによると北朝鮮の対中貿易額は全体の3/4という。もっと中国依存度が高いと指摘する専門機関もある。

いずれにせよ北朝鮮の中国依存度は極めて高いので「中国は北朝鮮が原爆・ミサイル開発を中止しないと食料・燃料輸出を止める」という強力なレバレッジを持っている。

しかし中国はこのレバレッジを使いたがらない。なぜなら北朝鮮の崩壊により大量の難民が中国に流入する可能性が高いからだ。

一部のメディアによると北朝鮮では海岸線の高圧電線網が強化され船による脱北が困難になっているという。果たして北朝鮮が崩壊した場合、高圧電線網が機能するのかどうかは分からないが、難民の多くは中国に向かうと予想して良いだろう。

北朝鮮が原爆・ミサイル開発のために外貨を稼いでいる方法は中国への石炭や鉱物資源の輸出の他、奴隷的な労働者を中国・ロシアで働かせて、稼いだ外貨を吸い上げたり、武器を中東・アフリカに輸出する、バイアグラなどの模造薬品を輸出するなど幾つかの方法があるようだ。

これらの資金源を完全にシャッターアウトすれば、兵糧攻めで北朝鮮の原爆・ミサイル開発をストップすることが可能であると思われる。

ただその前に食糧不足から大大規模な飢餓状態が発生する可能性もあるが・・・

これらのシナリオについて中国側とどれだけ踏み込んだ協議ができるかどうか?ということなのだろう。

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トランプラリーの勝ち組、ナスダック6,000ポイントを超える

2017年04月26日 | 投資

昨日(4月25日)は、地政学的なリスクの低下やトランプ大統領の減税プランが発表されると予想を受けて、米国株は続伸した。

ナスダックは41.67ポイント(0.7%)上昇して、6,025.49ポイントで引けた。

ナスダックは2000年に5,000ポイントの大台を超えてから、ドットコムバブルの崩壊、リーマンショックという大きな谷を経験して17年かかって大台を更新した。

トランプ大統領就任以来の株高の立役者は、ハイテク銘柄だった。大統領選挙以降株価全体は5%上昇しているが、セクター別でみるとハイテクが11%、公共財・消費必需品が7%上昇、エネルギー関連は8%の下落とパフォーマンスにはかなり差がある。

ナスダックの株価上昇をけん引しているのは、アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックなどのハイテク株で、アップル、アマゾン、フェイスブックの株価は20%以上、グーグルのそれは12%今年に入って上昇している。

トランプラリーを享受できたかどうかはこれらの銘柄を持っていたかどうかに大きくかかわっている。

ナスダック市場の過去1年間の利益に対するバリュエーションは約28倍。高いと言えば高いが2000年に5,000ポイントを越えた時のバリュエーションが69倍だったことに較べると比較的静かな大台更新ともいえるのだはないだろうか?

日本では「貯蓄から投資」と掛け声がかけられて久しいが、大量の個人資金は預金に滞留したまま残っている。

投資信託に向かう資金は高配当を掲げるファンドに流れているようだが(最近は多少変わっているそうだが)、長期投資の観点からは間違っていると私は思う。

私は株屋さんではないので、ハイテク銘柄を買えなどとお薦めはしないが、株式投資を通じて経済成長の分け前を共有すると考えるなら、アップル、グーグル(アルファベット)、アマゾンといった成長銘柄をポートフォリオに組み込むべきである。

「投資から貯蓄」という掛け声の裏には、日本株を購入させようとか金融機関の窓口で売りやすい(そして金融機関の儲けにつながる)商品を販売しようとする意図が垣間見える。

小さな池で小魚を取り合いするより、海に出るともっと大きな魚を釣り上げることができる可能性があると私は思っている。

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