今朝(4月24日)気になっていたフランス大統領選挙の様子をテレビでみると、中道左派のマクロン候補と極右のルペン候補が決選投票に進む見込みと報じられていた。決選投票ではマクロン候補の優位が伝えられているので、今朝のオセアニア市場ではユーロは5ヵ月ぶりの高値で取引されている。
もう少し詳しく知りたいと思い、Reuterを見るとその時点での一番読まれていたのは北朝鮮の労働新聞(労働党の機関紙)が「北朝鮮の人民解放軍は米空母を一撃で撃沈できる準備をしている」と報じている記事だった。
これは無論虚勢である。米空母がどこにいるかを正確に把握できない限り仮に中距離弾道弾を実装しても攻撃することは不可能だからだ。北朝鮮には米空母を捕捉する能力はない。
これは日本時間のきょう午前中に予定されいるという米中首脳電話会談などに対するブラーフであろう。
一方朝鮮半島方面に向かっていると言われているカールビンソンを旗艦とする空母打撃群も軍事的に北朝鮮を制圧するには力不足と言われている。軍事攻撃には後数隻の空母が必要だろうと軍事評論家は述べている。
ということで今のところ戦端が開かれる可能性は低そうだが、北朝鮮は米空母打撃群が増強される前に「核実験」を強行する可能性があるかもしれない。常識的には「核実験」を強行する代わりに何らかの外交的解決が模索されるだろうと期待したいところだが・・・
フランス大統領選は座り心地の良いところに落ち着きそうだが、北朝鮮については見通し不明。
しかし歴史を振り返ると自国民に対して自国の戦闘能力を過大に喧伝し続けた結果、引くに引けない状況に陥り、開戦に追い込まれたというケースもある。
孫子は「兵は詭道(戦争は騙しあい)」であり「戦闘能力があってもないように相手に思わせ油断を誘うべきものだ」と述べている。虚勢は見透かされるとおしまいだ。
因みに孫子は「城を攻めるのは下策で心を攻めるのが上策だ」と教えている。軍事力の行使はお互いに傷つき、経済基盤を破壊して得るところが乏しい。心を攻めて武力を行使せずに相手を屈服させるのが上策だという教えだ。ただしこれは相手が自分の軍事力と相手の軍事力を冷静に見積もり合理的な判断を下すことができる場合に成り立つ戦略であり、相手が捨て鉢の場合は成り立たないと思われる。