昨日の米国株は同日北京で始まった次官級の貿易交渉を好感して上昇した。ダウは0.4%、S&SP500は0.7%、ナスダックは1.3%上昇した。ハイテク銘柄が全般的に上昇する中で特にアマゾン株は3.4%上昇し、終値は1,629.51ドルになった。それまで時価総額1位だったマイクロソフトの株価が0.1%の上昇にとどまった。アマゾンの時価総額は7,968億ドルになり、マイクロソフトの時価総額7,836億ドルを抜き、ついに時価総額世界1位になった。
アマゾンなどハイテク株は昨年末にかけて激しく売り叩かれていたが、アマゾン株はこの1週間で8.5%上昇と勢いを増している。FactSetによるとアマゾンの第4四半期売上高は前年同期比2割増となる見込みで、同社株が「売られ過ぎ」と考えている投資家が同社株に戻ってきたのだろう。
ちなみに現在の時価総額は、アマゾン1位、マイクロソフト2位、アルファベット3位、アップル4位となっている。アップルは長年時価総額1位の地位を保っていたが、iPhoneの販売不振などから首位の座をマイクロソフトに譲り、また業績予想下方修正で4位に転落した。
さて時価総額で世界の頂点に到達したアマゾンだが、首位の座を長く保持できるだろうか?
ハイテク以外ではJPモルガン・チェースやジョンソンアンドジョンソン、ウオールマートなどの時価総額が大きいがいずれもアマゾンなどハイテクの半分以下だ。つまり当面ハイテク銘柄以外で時価総額競争のトップに立てそうな会社はない。
ハイテク企業という観点でアマゾンを見た場合のアマゾンの強みはクラウドサービスだ。IT業界アドバイザーのガートナー社によると、クラウドサービス事業は全体として2017年の253億ドルから2021年には659億ドルに拡大する見込みだ。
アマゾンはクラウドサービスが生み出す利益を使って、キャッシュレス店舗など色々な分野で事業を拡大している。だがマイクロソフトなど競争相手も黙ってはいない。マイクロソフトは小売り大手クローガーと提携してキャッシュレス店舗を展開すると発表している。
アマゾンが時価総額首位の地位を保ち続けるか、あるいはマイクロソフトなどが首位を奪還するか?それはわからないし、株式投資の点でそれほど重要なことではない。
投資の観点で重要なことは、時価総額トップクラスの銘柄を程よく持ち続けることである。程よくとは株価の変動に一喜一憂せずに暮らすことができる程度という意味だが・・・