金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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「お山の大将」になる~知的な老い方②

2019年01月20日 | ライフプランニングファイル

「知的な老い方」の中で外山さんは「老人が幸福になるには、お山の大将にならなくてはいけない」と述べている。

外山さんは「自任の大将」ならうまくいくだろう、と考え自分で会を作った。短歌を作っている御婦人連中をそそのかして「エッセイを書く会」を作った。大将は外山さん。メンバーは月に一回集まり、持ち寄ったエッセイを読み上げ、みなであれこれ感想を述べ合うということだ。

外山さんへの謝礼はなし。「心配はご無用、好きでしていることで、お礼をもらってはバチが当たるといって、辞退する。」と述べている。

外山さんは「お山の大将は自分でなる。自任するものであって、ほかの人から任命されるものでもない。・・お山の大将は生きがいになる」と述べている。

私の身の回りにも本当のお山の大将がいる。本当の、というのは「山登りの会」の大将を自任しているからである。

大将の一人はFさんといって元大手銀行の社長・会長を歴任した人だ。この人は社長・会長時代から山歩きが好きだったが、退任してからはある社会奉仕活動団体の中にトレッキング同好会を作り、毎月のように近郊の山歩きを楽しんでいる。山歩きも好きだが、みんなとワイワイガヤガヤ歩いて、温泉に入ってお酒を飲むのが好きなのだ。

お山の大将といっても、威張っている訳ではなく、面倒見が良いから仲間が集まってくる。

もう一人別の「山登りの会」の大将にYさんがいる。この人は私より10歳ほど若いが、職場の山好き連中を集めて山の会を作り、大将を自任している。企画力と行動力抜群の人なので若い仲間がかれを慕って会が続いているのだ。

このお二人が外山さんの「お山の大将」の話を読んでいるかどうかは知らないが、もし読んだとすると膝を叩いて喜ぶだろう。

老人でなくても幸福になるには、何かのお山の大将になるのが良い。だが助走期間なくしてお山の大将になれる訳ではない。

外山さんの場合には「文章力」があり、FさんやYさんの場合は長年のトレッキングや山登りの経験があった。仲間が頼りにしてくれる「何か」がないと大将になるのは難しい。

かく語る私もちょっとした山登りの会の大将を自任している。しかし私は大将の地位を独り占めするのは良くないことだと考えている。なぜならみなが大将になりたいからだ。そこで山の会の中にスキー部会などサブコミッティーを作り、そこでスキーの上手な人に大将を務めて貰っている。

幸せになるには大将になるのが良いが、カラオケもマイクと同じで独占してはいけない。みなが少しづつ大将になるような仕組みを作り、幸せを分かち合えたら良いな、と私は考えている。

 

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