今朝(4月25日)の読売新聞朝刊のトップ記事「チャットGPTが犯罪指南、爆発物作り方も詐欺メール文章も瞬時に」を見てあきれた。
記事の内容自体はタイトルよりはましなものの、チャットGPTが何であるか?をよく知らない読者をミスリードする記事だ。
確かにチャットGPTを使えば爆発物の作り方を簡単にしることはできそうだ(試したことはない)。
だが爆発物の作り方はチャットGTPが登場する昨年11月以前からインターネットで簡単に調べることができた。
「チャットGPTが犯罪指南」の論法を使えば「インターネットが犯罪指南している」ということになり、インターネットを悪者扱いすることになる。
インターネットや携帯電話あるいはATMが普及したことで「特殊詐欺」が拡大した。固定電話と銀行窓口からの送金の組み合わせでは特殊詐欺被害は極めて限定的だったろう。だからといって携帯電話やATMを止めろ、という声はあがらないはずだ。
チャットGPTは犯罪指南を行う可能性があるが、その数万倍以上健康な生活指南に利用しようとする人がいるはずだ。
たとえば「高齢者になってもフレイルに陥らない生活習慣を教えてください」というと一般に言われている情報を瞬時に提示してくれる。
多くの技術は善用・悪用に対して中立的だ。爆薬はトンネル掘削にも役立つがテロでは要人を殺傷する可能性がある。
チャットGPTも悪用すると爆発物の作り方を調べることができる。
ただしチャットGPTが自ら犯罪を指南することはない。読売新聞の記事のタイトルは読者をミスリードする可能性がある。