金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

財布は薄い方が安全でしょう

2023年04月04日 | うんちく・小ネタ
 昨今外出時の持ち物が増えていると感じます。まず一昔前に較べて携帯電話(スマートフォン)が大きくなりました。財布の中身(お札)は増えないものの持ち歩くカード類が増えて膨らみがちです。
 キャッシュレス決済は進んできたのですが、仲間と旅行する時など誰かがまとめてカード払いをして、それを割り勘するためにキャッシュを用意しておく必要があります。仲間の中にはPayPayを使って資金の受け渡しをしてくれる人がいますがまだ少数派です。
 私は日頃は現金をあまり持ち歩きませんが、グループ旅行や今のところ現金決済オンリーが多い山小屋利用の場合は持参する現金が増えますね。
 繁忙期の山小屋では宿泊料金をヘリコプターで運んでいるそうですから、キャッシュレス決済が進むと宿泊者・山小屋ともにメリットが大きいと思うのですが。
 現金やカード類で財布が膨らむことは色々な面でリスクや手間が増えます。
 まず持ち物が増えると紛失や盗難のリスクが増えます。また万一紛失したり盗難に遭った時の事後処理~たとえばカード会社への連絡など~に手間がかかります。
 リスク管理の点からは「手持ち現金を減らし、財布に入れるカードはできるだけ少なくする」ことが大原則でしょう。
 最近私は三井住友銀行のキャッシュカードを「オリーブ」というキャッシュカード・クレジットカード・デビットカード一体のカードに変えました。これなど財布を薄くする方法ですね。
 「オリーブ」カードには銀行口座番号やクレジットカード番号の記載がありませんから、紛失や盗難に遭った時悪用されるリスクが低いとも思います。
 (もっともVISAのタッチ決済を悪用されると1万円未満の利用を繰り返されるリスクはありますが)
 ところで三井住友銀行が「オリーブ」を推進している理由は何でしょうか?
 同行のHPなどを見ると銀行預金取引、クレジットカード取引に加え保険や証券取引を囲い込むことにあるということですが、私はもう一つ「普通預金の無通帳化」という狙いがあると見ています。オリーブ口座を開くためには通帳のWeb化が求められるからです。
 もっとも無通帳化は財産のリスク管理の上では諸刃の剣でしょうね。
 通帳がなくなるということは通帳を紛失したり盗まれたりするリスクがなくなるということです。たまに銀行のフロアに立ち寄るとフロア案内の方が「通帳がない」「印鑑がない」というお客さんの対応に追われている姿を見ることがありますが、無通帳にすると通帳をなくすリスクはなくなります。
 一方本人が死亡したり、心神耗弱の状態になったとき家族の人が預金先を簡単に見つけ出せず手間がかかる可能性があります。
 財布や金庫の中は薄くて軽い方が管理しやすいので安全性が高いのですが、自分で管理できなくなることを考えて信頼できる人にオンライン取引一覧表を渡しておく必要がありますね。
コメント
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