今朝(4月18日)読んだWSJに米国の銀行預金に関する2つのニュースが出ていました。
一つはチャールス・シュワッブ銀行とステート・ストリート銀行で銀行預金が1年前に較べ各々30%、11%減少したというニュースだ。
低金利時代に銀行は低金利で預金を集め、それを国債やその他利回りの高い投資に運用することで利ザヤを稼いできた。しかし連銀がインフレ抑制のために政策金利を引き上げて以降、預金者は銀行預金よりも利回りの高いマネー・マーケット・ファンドなどに資金をシフトし始めている。
3月に起きた2つの銀行の破綻も預金者の警戒心を高め、中小銀行からの預金流出が目立ち始めている(シュワッブ銀行やステート・ストリートが中小銀行という訳ではない)。
こんな中アップルがアップル・クレジット・カードの保有者を対象に金利4.15%の貯蓄預金口座を開始すると昨日発表した。
アップルはiPhoneをデジタル・ウォレットとしての活用拡大を目指して、ゴールドマン・サックスと提携して銀行業務に乗り出した。
既にアップル・ペイはアメリカではデジタル決済で圧倒的な強さを誇っているが、魅力的な貯蓄口座を提供することで囲い込みの勢いを増しそうだ。
アップルの圧倒的な信用力と一般の貯蓄預金口座を上回る金利は強い競争力を持っている。
ただし預金上限額は預金保険公社の保険上限額の25万ドルだ。
アップルの狙いは預金を獲得することよりも、デジタル・ウォレットを取り込むことでiPhoneの拡販など総合的なビジネス拡大を狙っているのだろう。