NHKの朝ドラは番組次第で見たり見なかったりですが、今回の「らんまん」は見ています。基本的にモデルがはっきりしているドラマを見ていると思います。事実は小説より奇なりですからね。
今日(4月7日)は万太郎(実在人物は牧野富太郎)の母ヒサが若くして亡くなる場面。万太郎は母の好きな花を探して神社の裏山に入り遭難しそうになりながら花を見つけます。だがその花は母が好きだった花(バイカオウレン)ではありませんでした。春になって万太郎はバイカオウレンが沢山咲いているところに出会います。しかし万太郎はその花の名前を知りませんでした。
彼は花を名前を知りたいと思います。それが植物学者牧野富太郎の出発点だったとドラマは告げています。
人の命に限りがあるように一つ一つの草花の命にも限りがあります。1年で命を終えるものも数年にわたって花を繰り返して咲かせる草もあります。一つ一つの草の命は長くはありません。しかし毎年毎年同じ場所に繰り返し咲く花を見ていると命は長く続いているのではないか?と思います。
それが新しい種が芽吹くことで命の再生が行われるのか、あるいは球根や地下茎のようなもので命が引き継がれていくのかは分かりませんが、花たちの遺伝子はバトンタッチされていくのです。
人間が残すものは肉体としての子孫だけではないでしょう。その人が懐いていた思いもまた子どもたちに引き継がれていくのだと思います。
万太郎の母が愛した花への思いは生涯花を研究した万太郎(牧野富太郎)に引き継がれていったのです。
写真はバイカオウレン