金融そして時々山

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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

負託なき自民党の大勝

2012年12月17日 | 政治

昨日(12月16日)の総選挙では自民党が大勝した。読売(ネット版)によると294議席を獲得、公明党の31議席を合わせると325議席。小選挙区制度では予想されたことだが、まさに地滑り的な大勝となった。地滑り的大勝は英語ではLandslide victoryという。日本語英語とも「地滑り」という同じ表現となっているが、偶然なのかあるいは英語を翻訳して使った結果なのかは知らない。

ニューヨーク・タイムズの自民党勝利に関する記事を読んでいたら、京都大学の街鳥教授が同紙のインタビューにThis is a landslide without a mandateと応えていた。国民の負託なき大勝利ということである。タイムズの見方は「多くの選挙民は自民党以外に選択肢がないから、自民党に投票したのであり、全権委任を与えた訳ではない」というもの。これは私を含めて自民党に投票した多くの人の気持ちを表しているだろう。

タカ派と目される安倍氏の首相就任で、尖閣問題が先鋭化するのではないか?という懸念もあるが、同紙は選挙前から安倍陣営は秘かに中国に対して緊張緩和の手を差しのべていたし、選挙後中国との関係改善に直ぐ動くと誓ったと述べている。

中国を刺激するとすれば、安倍政権が憲法改正や自衛隊を国防軍に変えることを推進する時だが、安倍新首相が賢明な人であれば「それは国民が自民党に与えたマンデート(委任状)の範囲を超えている」と感じ勇み足を思いとどまるだろう。

問題は安倍首相がどれほど賢明な人か?ということである。直接話したことがなく、事情通からの又聞きで恐縮なのだが、安倍首相は「振り付け」に乗り易い人、つまり誰かブレーンが吹き込んだことを自分の考えとしてすぐ発表する癖があるそうだ。誰かが変なことを吹きこまなければ良いが・・・と少し懸念する次第。

ところで「首相就任後の最初の訪問国は米国」と親米スタンスを打ち出そうとしている安倍首相を米国はどう見ているだろうか?

ニューヨーク・タイムズが取り上げた「負託なき大勝」という言葉がセンチメントをよく表している気がする。もう一つは前回(2007年)に病気を理由に辞職した安倍氏に対する評価が辛いようだ。

タイムズは、安倍氏は参院選で敗れた直ぐ後、intestinal ailment(腸の病気)を訴えて辞職したと述べている。Ailmentは病気は病気でも「重度ではないが慢性的な」病気という意味である。

そこには2つの意味である種の底意地の悪さが感じられる。一つは2007年の時、首相を辞任しなければならないほどの重病じゃないという批判であり、慢性的な病気なら今回も政局が悪くなればまた発病するのではないかという懸念である。

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