昨日(4月25日)のSNBCは、ベスポーク・インベストメントの「S&P500の全セクターが、200日移動平均線を越えたのは、歴史的に見て株高の前兆」というコメントを報じていた。
金融セクターは出遅れていたが、過去3か月で12%株価が上昇し、先週200日移動平均線を越えた。これで全セクターが200日移動平均線を越えたことになった。これは2014年9月以来のことだ。
ベスポークによると、1993年以降全セクターが200日移動平均線を越えたことが4回あり、その内3回はその後大きく株価が上昇している。過去4回の平均では、株価は半年後に9.3%、1年後には16.3%上昇している。
テクニカル分析とは別に昨日私が注目した記事はWSJに出ていたフィッチのチーフエコノミストが書いていたIs "Secular stagnation" too pessimistic?という記事だった。
Secular stagnation(長期停滞)は、リーマンショック後の低賃金・高貯蓄・低投資・低成長を説明する言葉だったが、格付会社フィッチのチーフエコノミストCoulton氏は、労働力の逼迫により、企業は設備投資に力を入れ始めたので、年率4%のような高成長に戻ることはないにしろ、一般に予想されるほど経済成長見通しは悲観的ではないというものだ。
フィッチの予想が正しいかどうかは分らないが、米国でかなり深刻な人手不足が起きつつあることは間違いないようだ。
先週全米産業審議会は「作業療養士・鉄道技師・数学者・機会技師等が不足することが予想され、人手不足が長期化すれば長期的な景気停滞に陥る可能性がある」と警鐘を発した。
全米審議会は米国の失業率は先月の3%から2016年末には4.5%、17年末には4.2%まで低下する可能性があると予想している。
予想される人手不足に企業が、人工知能の活用などの設備投資で対応するとすれば、フィッチのように比較的楽観的な見方に立つことが可能だろう。しかし労働コストの上昇が、上手く消費に繋がらず、企業収益を圧迫して、低成長が持続する可能性も視野に入れなければならないだろう。
市場は引き続き米国の雇用市場特に賃金動向に着目して動くことは間違いないだろう。
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