11月の第4木曜日は感謝祭で米国では休日。感謝祭の次の金曜日はBlack Fridayと呼ばれ、小売業がセールスキャンペーンを行う。この日からクリスマス商戦が始まるのだ。Black FridayのBlackは小売業が黒字を計上できる時期だからBlackと呼ばれるようになったそうだ。この日は小売業にとって年に数度の稼ぎ時である。
だがこのBlack Fridayに敢て店を閉めるという小売業が出現した。それはアウトドア・スポーツ用品の大手小売業REIだ。
REIは11月27日(金)に143店全店を閉めて、約1.2万人の従業員に有給休暇を与えるとアナウンスした。
そのメッセージが格好いい。
We believe that being outside makes our lives better. And Black Friday is the perfect time to remind ourselves of this essential truth.
我々は野外にいることが我々の人生をより良いものにすると信じている。そしてブラックフライディはこの本質的な真実を我々が思う出す丁度よい機会だ。
REIはお祭り騒ぎの小売り合戦を避けて、従業員が連休にアウトドアライフをおくることができるようにした。そしてこのOpt outsideキャンペーンに一般参加を呼びかけ30万人近い人がサインアップしたと報じられている。
このような大胆な決定はREIだからできる、という側面が多い。
第1にREIはアウトドア・ギアの会社なので、キャンペーンを通じてアウトドア愛好者が増えると市場が拡大するというメリットがある。従業員がアウトドア活動のキャリアを積むことも、販売活動につながるだろう。
第2にREIの商品は定価を維持していて、あまり安売りキャンペーンはやらないようだ。だからブラックフライディに特売をする必要がない。
第3に上場会社でないので株主の意向を気にしなくて良いことがあげられるだろう。
だがこれらの要因を除外しても、「従業員に優しく、人生の本当の価値を考える会社」というイメージを与える。
米国企業というと株主価値重視というイメージが強いが、色々な会社があるものだと改めて思う。
「アウトドアライフは人生をより良いものにする」
良い言葉だと思う。そしてその信念を具体化できる会社も良い会社だと思う。
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