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「日本はもっとアメリカ製の武器を買え」トランプ大統領

2017年11月07日 | ニュース

アジア歴訪で日本に来ていたトランプ大統領は、安倍首相と北朝鮮問題・貿易不均衡問題等で安倍首相と意見を交換した。

貿易不均衡問題について、日経新聞は「トランプ大統領は安倍首相に対日貿易赤字の削減を要請した。・・・米国は巨額の赤字額相当だけ国内雇用が奪われていると考え、相手国に赤字解消を求める。『高関税を残すなら米国も同じように関税を引き上げる』。会見でトランプ氏は戦闘的な姿勢をみせた」と報じている。

WSJは貿易不均衡問題について「トランプ大統領は日本にもっとアメリカ製の武器を買え、と追い立てた」というタイトルで、トランプ大統領が「北朝鮮のミサイルを打ち落とせるようにアメリカ製の武器を買え」「それはアメリカに雇用を増やし、日本に安全性を高める」と言ったと報じている。

そしてそれに対して安倍首相は最新鋭の戦闘機の購入やミサイル防衛システムの最新化をほのめかしたとWSJは報じていた。

米国の対日貿易赤字は約690億ドルで、中国の3,470億ドルについて2番目に貿易赤字が大きい。貿易赤字の最大の原因はアメリカが日本から車を輸入していることにある。

アメリカがある国との間で貿易赤字に陥る原因は3つあるといわれている。

1)消費財や石油のように、アメリカで製造するより貿易相手国で生産する方がコストが安い場合。

2)貿易相手国がアメリカ製の商品を必要としない場合。

3)多くの品目について、相互に輸出入を行っているが、アメリカの輸入が輸出を上回っている場合。

1)の代表例は中国だろう。アメリカの多くの企業は原材料を中国に輸出して、中国はそれを組み立てアメリカに輸出している。つまりアメリカの製造業のアウトソースを引き受けているので、中国に巨大な黒字がたまるという仕組みだ。一方中国はアメリカの商品をあまり必要としていないので、貿易赤字は減らない。

日本の場合はどうだろうか?

私は2)のカテゴリーに入るものが多いと考えている。日本ではドイツ車は売れてもアメリカ車は売れない。それは関税または非関税障壁の問題というより、アメリカ車が日本人の好みや道路事情に適していないからだろう。

安倍首相がトランプ大統領に、柔らかく「日本で売れそうな車を作ったらどうですか?」といえば面白いのだが。

もっとも牛肉のように、関税が障壁となっていると考えられるものもあるので、話はそう単純ではないだろうが。

武器について「日本の防衛について日本はもっと自助努力するべきだ」という議論をアメリカに展開されると「武器は日本にとって必要なアメリカ製品」になり、2)の問題が緩和されるだろう。それがアメリカの狙いか?

ただ経済の話を貿易赤字だけに絞り込んでしまうと、今の世界経済の本筋を見誤り、日本に不利な議論を招いてしまう。

アメリカは「本来作ろうと思うと何でも自国生産する能力のある国」だが、海外生産の方がコストが安い場合、海外生産に委ね、自国の資源(資本や労働力)をより付加価値の高い分野に投入するという資本の論理が貫徹した国だ。だからアップル・グーグル・アマゾンといった企業が業績と株価を伸ばしている。

貿易不均衡の議論、日本がアメリカから武器購入を増やすこと位で収まるのかもっと大きな議論に広がるのか?

注目してみていきたいと思う。

 

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