あちこちで選挙演説が始まりましたね。
今回の選挙のポイントは「誰が政治の信頼を回復できるか」ということと「政治の信頼を回復するために政治資金の透明性をどう高めるか」という辺りなのでしょうね。
ところで「なぜ政治の信頼性を回復しないといけないのか?」とか「なぜ政治資金が不透明ではいけないのか?」という問題を考える上で明快な答がこの本は書かれています(まだ2割程度しか読んでいないのですが、その中に書かれています)。
それは「包摂的な経済制度を採用することができた国は繫栄し、できなかった国は衰退する」という世界の色々な国々の歴史を分析した著者(ノーベル経済学賞受賞者)の端的な結論です。
包摂的な経済制度というのは「すべての人々が教育、雇用、資源へ平等にアクセスできる制度」「失業等の経済的不安定さから人々を守る制度」が充実した経済制度で、そこから発明や技術革新が生まれ、持続的に生産性が向上していくような経済制度です。
ところで今まで読んだ限りでは、この本の中で日本は「繁栄した国」に入っているのですが、ここ2,30年の状況を見ると「繁栄から衰退」あるいは衰退とまでは言わなくとも停滞に向かっているような気がします。
この本の理論が正しいとすれば、日本の経済制度の包摂性に綻びがでているから、繁栄から停滞に向かっているということができるのではないでしょうか?
なにが包摂性に綻びをもたらしているのか?というと、色々な形の既得権者が自分の利益を守るために、技術革新やそれに伴う生産性の向上を阻害しているからなのでしょう。
もし不透明な政治資金が経済制度の包摂性を棄損するものであれば、その点から批判されるべきでしょうね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます