金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

年末のお掃除は業者さんに任せて自由時間を増やす方が満足度が高い?

2018年12月19日 | ライフプランニングファイル

年の瀬が迫るとハウスクリーニング業者の「お掃除引き受けます!」といったキャンペーンが目につくようになりますね。お掃除を業者さんに頼む理由は「年を取ったので高いところに上るのが怖い」「プロに任せた方がきれいになる」「仕事が忙しいので自分でやる暇がない」など色々あるでしょう。

一方「自分でやろうと思えばできる仕事をお金を払って業者さんに依頼するのは嫌だ」と思う人も多いと思います。

この問題は世界共通のようで、WSJにIf you want to feel better,spend money on saving timeという記事が出ていました。

これはハーバード大学の教授が行った実験に基づく結論をまとめたものです。それによると被験者に同じ金額を与え「何かの作業を第三者に依頼して自由な時間を手に入れる方が、満足度が高いか?」あるいは「衣服など品物を買う方が満足度が高いか?」という調査を行った結果、「お金を払って自由な時間を手に入れる方が満足度が高い」という結論に至りました。

「そりゃお金を持っている人は業者に任せた方が満足度が高いということでしょ」という反論がでそうですが、記事によると調査グループは米国、カナダ、デンマーク、オランダで色々な所得階層を横断して6千人以上を対象に調査した結果、時間を買う方が満足度が高いという調査結果がでたということです。

ハウスクリーニングではありませんが、業者さんに依頼するということでは、私は最近カーナビゲーションの取り付けをディーラーに依頼しました。外付けタイプのナビなので自分で取り付けられないことはなさそうなのですが、細かい字で書かれたマニュアルを読み込むのが面倒だし、細かい配線作業に不安を覚えたからです。

でディーラーさんに取り付けを依頼している間何をしていたか?というとスポーツジムで汗を流していました。

ナビの取り付けに苦労するよりは良かったような気がします。

ただ前述の調査によると、実際にお金を払って時間を買う人の割合は2%に過ぎないということです。その理由の一つは「自分がやるのは嫌な仕事を人にやらせることに罪悪感を感じることが多い」ことが挙げられていました。

でも業者さんは仕事と収入が増え、本人が自由時間を有効に使うことができるならば、双方ハッピーですから罪悪感を感じることはないと思います。

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「弱い紐帯の強み」で山仲間の会は持続

2018年12月17日 | うんちく・小ネタ

今夜私たちの山の会の忘年会がある。この山の会は、ある職域の山の会をベースに幾つかの組織に属する山仲間が集まり、時々山に行ったりスキーを楽しんだり、お酒を飲んだりする集まりである。会則もなければ会費もないし会報もない。従って「会」というよりは、アウトドア同好者の集い程度のものである。

お互いのメンバーは「弱い紐帯」でつながっている。紐帯の強さは「ともに過ごす時間の量」「情緒的な強度」「秘密を分かち合うような親密度」「助け合いの程度」で決まるそうだ。

山登りといっても、私が学生時代に所属していた山岳部などは「年に数十日一緒に山に入り」「登頂の喜びや吹雪の不安を共有し」「ザイルでお互いの命を支えあっていた」からまさに「強い紐帯」のつながりだったといえる。

日本の会社というのも「かなり強い紐帯」のつながりである。

だが長い人生の中で人が多くのものを得るのは、必ずしも「強い紐帯」からではなさそうだ。

1970年中ごろに「弱い紐帯の強み」理論を発表したスタンフォード大学のマーク・グラノヴェッター博士によると、就職先の情報を得る時84%の人は「弱いつながりのネットワーク」から得た情報で就職し、強いつながりのネットワーク情報で就職した人は16%に過ぎなかったそうだ。

また「弱い紐帯」からの情報で就職した人の方が「強い紐帯」の人より満足度が高かったそうだ。

私たちの山仲間の会は弱い紐帯でつながっている。同じような年齢・職種の人が多いから就職(もはや再就職?)などの有効な情報を多く得られるとは思わない。だが紐帯が弱く組織の縛りが弱い(というかほとんどない)から集まりが長続きしているともいえる。

組織に属することからくる気苦労がないからだ。

会社人間が会社を辞めて第二の人生を歩くということは、強い紐帯でつながった社会から弱い紐帯でつながった社会へ移り住んでいくということである。山仲間の会はそのための良いゲレンデだったのだ。

「弱い紐帯の強み」ということに思い至れば会社を離れて新しい仲間とつながることはプラスでありこそすれ、悲観するものではないはずだ。

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米中貿易摩擦を日米貿易摩擦に重ねてみると

2018年12月15日 | 投資

昨日(12月14日)の米国株式市場はまた大きく売り込まれた。ダウは497ポイント2%強下落した。ダウ・S&P・ナスダックとも直近の高値から10%以上下落し、コレクション領域に入った。昨日の株式市場では医薬・日用品メーカーのジョンソンアンドジョンソンが、ベビーパウダーに微量のアスベストスが含まれていることを知りながら隠蔽していたとロイターが報じたことで同社株が10%下落したことも重しになった(ちなみに同社はロイターの報道に対し事実ではないと反論している)。

だが全体的なセンチメントは米中貿易戦争が長引くことを懸念し、週末にポジションを整理しておこうという動きが売りをよんだのだろう。

さて市場参加者や経済界が頭を悩ませている米中貿易戦争について、30年前の日米貿易摩戦争を重ねながら米中貿易戦争の影響を予測する記事がWSJに掲載されていた。

タイトルはThe old U.S. trade war with Japan looms over today's dispute with China by Peter Landers.

著者は1980年中頃レーガン大統領時代の日米関係とトランプ政権下の現在の米中関係の共通性に着目しながら筆を進める。解説を加えながらポイントを紹介しよう。

  • 対日本巨額の貿易赤字に悩むアメリカは1985年9月の5カ国蔵相会議でドル高是正の合意を得た(プラザ合意)。
  • プラザ合意以前は1ドル240円だった米ドルは約1年で154円まで下落した。米国は日本に輸入拡大を促進するために金融緩和を迫り、日銀は政策金利を引き下げた。この結果米国の貿易赤字は幾分改善されたが、米国の圧力は続いた。米国の全貿易赤字に占める日本の割合は1991年がピークで実に65%に達していた。米国企業による日本企業に対する著作権侵害訴訟などが続いた。
  • 日本製のOSトロンも制裁対象となった。米国は日本製のOSトロンが世界標準になることを恐れ「日本メーカーがトロンを搭載したパソコンを作ると不公正貿易障壁に該当するので相応の制裁を取る」と脅しをかけてきた。
  • 金融緩和で日本では資産バブルが発生。バブルが崩壊した後日本はその後始末に難渋し、長い停滞期に入ってしまった。

筆者は木内元日銀政策委員会審議員の「米中貿易摩擦が中国を別の方向に向かわせるリスクを人々は見落としているかもしれない」という言葉を引用しながら、中国がバブル崩壊後の日本と同じ軌跡をたどる可能性があることを論じている。

  • 中国経済は80年台の日本のそれとは異なる。平均的な中国人は当時に日本に較べてはるかに貧困である。一方金融システムのリスク把握力が脆弱である点など構造的欠陥については幾つかの共通性がある。不動産価格が平均的な市民の予算をはるかに越えている点も同じだ。また少子化政策の結果労働層人口の減少が始まり、人口統計学上の時限爆弾を抱えているのも共通点だ。
  • 中国では国営企業の市場型への移行が停滞し、むしろ公共投資など短期的な景気浮揚政策が取られる可能性がある。プラザ合意の後日本が採用しそして失敗したように。
  • 中国経済が停滞し軍事予算が削減され、政治に不満を持つ中間層の政治的自由を求める声が高まるとすれば米国は安堵の胸をなでおろすことができるだろう。
  • しかし世界経済の1/6を占める中国経済が停滞し、政治的不安定が顕在化すると日独の産業機械の輸出が減り、その影響はやがて米国にも及んでくる。

つまりメイドインチャイナ2025政策を掲げ、ハイテク分野で自力調達を目指す中国の経済政策は、トロンを掲げた日本と同様この分野で世界的覇権を維持したい米国にとっては叩いておかねばならないものだが、叩きすぎるとその影響は自国に跳ね返ってくるだろうというのが筆者の結論である。

世界経済とサプライチェーンは日米貿易摩擦の頃とは比べものにならないほど複雑に相互依存しているので、米中貿易摩擦が与える影響もはるかに予想が難しいということができるだろう。

 

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4kチューナーは急いで買う必要はない

2018年12月12日 | デジタル・インターネット

12月1日から始まった4kテレビ番組。「まだ見ていない」という人が圧倒的に多いと思う。

たまたま私の場合は今年の夏に10年以上使っていたテレビが壊れ、4K放送対応のテレビに買い換えていたので4k放送を観ることができた次第だ。もう少し正確にいうと近所のパナピット店で新しいテレビを買った時に「12月から4kテレビ放送が始まるからその前に4k放送用のチューナーをお届けします(当然有料)」と言われていて、それに従い4万円弱のチューナーが届き4k放送を観ることできたのだ。

確かに海の中を撮影した番組などを観ると4k放送は美しいと思う。

しかし問題は4k番組の少なさだ。例えば今日のBS-TBSの4k番組表を見ると日中はほとんど4K番組はなく、夜は6時30分から9時前までは4k番組。その後11時から30分間4kという状況だ。

一方テレビに4kチューナーを着けたことで予期しない不具合が発生することが起きるようになった。リモコンスイッチをオンにしてもテレビが立ち上がらないのである。

これについてはパナピット店を呼び対応してもらったが、その後も不具合が続いた。パナピット店の人は「実は我が家もチューナーの不具合で困っています。これ以上不具合が続くようでしたらチューナーを交換します」と言っていた。

パナソニックのチューナーには初期不良のようなものがあるのかもしれない。

ということで「これは観たい!」と思う4k番組は少ないのにチューナーの不具合でストレスを感じることがあるというのが私の4k時代の幕開けだ。

ということで新しいもの大好き!という人以外は急いで4kチューナーを買うほどのことはないというのが私の体験に基づくアドバイス。

これは余談になるけれど、私はメンテナンスフリーと思われる家電製品は大型量販店で買い、設置やメンテナンスが発生する家電製品については近所のパナピット店で購入することにしている。後者の代表格はエアコンである。

テレビについてはこれまでは前者と考え大型量販店で安いものを探して買っていたが、今回は虫の知らせ?でパナピット店で購入した。

そしてこのことは今回のチューナーの不具合で正しい判断だった、と感じた。もちろんメーカーに電話をかけ、電話にかじりついて復旧させることはできたかもしれないが、大変な手間だったことは間違いない。

テレビも手数のかかる家電に昇格?したようである。

 

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竹橋・大手町夜景

2018年12月10日 | 写真

顧問先が竹橋に移転して一週間。最初は荷物の開封・パソコンや複合機のセットアップでゴタゴタしていました。また移転祝い?の飲み会もあったのですが、今週は少し落ち着きました。

今夜は寒いけれど天気が良かったのでカメラを持って竹橋から大手町の夜景撮影と洒落込みました。

竹橋からお堀を時計回りに大手町に向かって歩きました。竹橋・大手町界隈のビルの夜景は絵になりますね。

パレスホテルの前で一枚

大手町の仲通り

機材はオリンパスペンFと14-42mm F3.5-5.6ズームレンズを使用。三脚は使わず(通勤時間帯に車内持ち込みは不可能でしょうね)、「手持ち夜景モード」で撮影。このモードは一回のシャッターで8枚の写真を撮りカメラ内で自動合成しています。

詳しい仕組みはわかりませんが、そこそこきれいな夜景を撮ることができました。

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