金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

今回の暴落は不況の前兆ではなく、ポジショニングによる暴落

2024年08月09日 | 投資
 昨日(8月8日)の米国株式市場は、3市場とも大きく反発した。
 S&P500は2.3%、ナスダックは2.87%、ダウは1.76%上昇した。
 株価を押し上げた要因は、失業保険申請数が、233千人と前週の250千人やダウジョーンズの事前予想240千人を下回ったことだ。
 これにより先週の雇用統計発表後、高まっていた米国の労働市場の減速に対する懸念が一部緩和された。
 また円が弱含んだことも好感され、株価の反発が進み、S&P500は、今週月曜日の下落を相当取り戻し、今週の下落幅を0.5%まで取り戻した。
 先週末から今週初めにかけては、弱い雇用統計と日銀による政策金利引き上げ見通し(そしてその後のハト派的発言)により、相場は大きく下落したが、少し落ち着きがでてきたようだ。
 WSJはS&P500 jumps 2.3% in best day since 2022という記事の中で、バンガード社のエコノミストの「我々も多くの市場参加者同様、市場が示している敏感さにある程度困惑していた。経済のファンダメンタルズに関して何か重要な変化があったとは考えていない」という言葉を紹介していた。
 またパリバのアナリストは「(この暴落は)不景気による弱気相場の始まりではなく、ポジショニングによる暴落だと考える」と述べていた。
 経済のファンダメンタルズの悪化に伴う相場の下落は、暴落というより、持続的な株価下落が一般的だ。それに較べてポジショニングの調整による下落は、急激だか一過的であるのが特徴だ。
 おそらく米国株は多少の紆余曲折を経て、元の水準に戻っていくだろうが、ドル円の相場はしばらくは160円時代までは戻らないかもしれない。円は座り心地の良いところを探してしばらくボラティリティが高そうだ、と感じている。
 
 
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10万本のひまありは大迫力~清瀬ひまわりフェスティバル~

2024年08月07日 | まち歩き
 今日(8月6日)清瀬ひまわりフェスティバルに行ってきました。これは農家の方が緑肥として植えているひまわりの花を期間限定で、一般公開しているもので、今日から8月13日まで公開されています。
 詳しくはこちらからどうぞ
 公開日初日の今日は大勢の人が会場に来ていました。西武池袋線清瀬駅北口から会場まで無料のシャトルバスが運行されているのですが、行きも帰りも満員でした。暑い最中でしたが10万本のひまわりは迫力がありますね。

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株価急落の犯人キャリートレードのポジション解消まだ終わらず?

2024年08月06日 | 投資
 昨日(8月5日)の日本株は1987年のブラックマンデー以来の大暴落となり、世界の投資家の耳目を集めた。日本の一般投資家の中にも「アメリカの景気が悪化しそうだということなのになぜ日本株が世界で一番下落するのか?」という疑問をお持ちの方も多いと思う。
 このなぞを解くカギの一つがキャリートレードにある。 
 
 キャリートレードというのは、円のように金利が低い通貨で借入を行い、金利の高い通貨やリスク資産に投資する手法で前提になっている条件は「借入通貨の為替レートが安定している」ことや「投資対象のボラティリティが低い」ことがだ。
 だが少し前からこの条件が崩れ始めた。一つは日米の金利差が縮小するという予測や日本の為替介入で急速な円高が進んだことだ。円高が進むと借りた円を返済するために、より多くの外貨資産を売却することになり、キャリートレードのうまみがなくなるからだ。
 「金利の低い円を借りて、日本株を買っていた外国人投資家が急速な円高を恐れてポジション解消を始めたため、日本株が大きく売り込まれた」ということだろうか。

 WSJによるとヘッジファンドや機関投資家は、7月初めの時点でネットベースで140億ドル相当以上の円安に賭けたポジションを持っていたが、先週までにこれらのポジションは約60億ドルまで削減された。
 さて急速な円高の進行で、投資家達はキャリートレードを手じまいしたかというとWSJはまだそうではないだろうというINGのアナリストのコメントを紹介していた。それはこれまで円にエクスポージャーのある投資家や銀行はヘッジコスト削減のために為替ヘッジを行ってこなかったが、これからヘッジ比率を高める可能性がある、というものだ。ヘッジを増やすということは円の需要が増えるということなので更に円高になる可能性がある訳だ。

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サーム・ルールは景気後退を示唆しているが・・・・

2024年08月05日 | 投資
 このところの日本株の下げは激しいですね。グーグルファイナンスで見ると過去1カ月の間に日経平均は16.3%下落しています。ダウは0.92%の上昇となっています。
 今回の日米の株価下落の最大の要因はアメリカの景気後退懸念ですが、アメリカの株価下落を上回るペースで日本株の下落が起きていることを見ると、海外投資家などが年初来、利益が出ている資産を売却する動きを強めている気がします。
 昨今新NISAなどで投資を始められた人の中には必要以上に不安を感じている人がいるかもしれませんが、私自身はそれほど慌ててはいません。それは今年の前半に人工知能ブームでアメリカのチップメーカーなどの株価が相場を押し上げ過ぎていたからです。
 つまり株価は実力以上に高い値段で買われていたため、調整が必要だったのだと考えています。
 そのきっかけの一つが、政策金利引き下げを見越した先月起きたハイテク銘柄から出遅れ銘柄や小型株へのローテーションです。
 そして先週発表された雇用統計などの経済指標の悪化がリセッションを示唆しているという投資家の恐れからくるリスク回避の動きです。
 WSJには「サーム・ルール」の話がでていました。これは経済学者クラウディア・サーム博士によって考案された景気後退を予測する指標で「直近3カ月の失業率の平均が、過去12カ月の最低失業率を0.5%以上上回った時、景気後退に入ったと判断する」というものです。先週発表された雇用統計により、過去3カ月の平均失業率は4.13%でこれは昨年の最低水準3.6%を0.5%以上上回ったので統計的に景気後退に入ったと考えた人がいたということです。
もっともこの統計的な法則を発見したサーム博士自身「経済がただちに景気後退の瀬戸際にあるとは考えていない」(WSJ)そうですから、天変地異が起きるほど驚くことはないでしょう。
 楽観的なことをいう訳ではありませんが、大統領選挙の前にリセッションが起きると現職の大統領が不利になる傾向が強いということですから、民主党政権としては、リセッション回避のために何か手を打つ可能性があるのではないか?と私は考えています。
 それに7月の雇用統計はハリケーンの影響で弱い数字がでているという見方もありますからもう少し全体を見渡した方が良さそうです。
 いずれにせよ今年の前半飛ばし過ぎた反動がきていることは間違いありませんね。
 
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鳥海山(2,236m)、軽い熱射病で9合目過ぎから引き返しました

2024年08月05日 | 
 コニーデ型火山として、四方に美しい裾野を引く鳥海山には多くの登山道があります。私は5月のスキー登山と8月に夏山登山をしたことがありますが、いずれも一番ポピュラーな象潟口からの登山でした。今回は秋田県側でもっとも歴史の古い矢島口(秡川)ルートから登ることにしました。
 このルートは秡川ヒュッテからの日帰り登山になります。近くの人は秡川ヒュッテの下の駐車場に車を止めて日帰り登山が可能ですが、我々遠方組はこのヒュッテに泊まりました。ここは夏の間は管理人さんがいますが、自炊の小屋で寝具も持ち込みです(ただし電気・ガス・鍋釜等はあります)。宿泊代は1,830円でした。
 (秡川ヒュッテ入口。バックは鳥海山。)

 秡川ヒュッテからは目の前の竜ケ原湿原の中の木道を歩いて鳥海山に向かいます。このルートは7月中は雪渓歩きが多いということですが、今回は小さな雪渓を2か所横断するだけでした。

 途中登山道の東側にナメ滝が見えました。

 6時のヒュッテを出て、9合目(氷の薬師)を9時過ぎに通過して、舎利坂の登りの途中で体がだるくなり軽い熱中症ではないか?と判断しました。
 そこで元気な若い人たち(相対的な話ですが)に頂上に行ってもらうことにして私は少し休んでから下山に向かうことにしました。 
 今回は熱中症対策には気を付け、つばの大きな帽子を用意し、水分補給にも気を付けていたのですが、暑さに気持ちが萎えたような気がしました。
 楽しみにしていた鳥海山山頂からの絶景が見れなかったのは残念ですが、無理は禁物ということでした。
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