KAWADE夢ムック『文藝別冊[総特集]半村良』は、半村さんを知る人のエッセイや評論などの他に、半村さん自身の作品も収録されている。
その中に句集があり、全部で31句(これがお詠みになったすべて?)。で、次の一句を見て「ギャッ!」といいました。
巻末の「略年譜」には――
その中に句集があり、全部で31句(これがお詠みになったすべて?)。で、次の一句を見て「ギャッ!」といいました。
- 桔梗散って残りの菊のふてぶてし
気になったのは、幼かった半村さんが東京大空襲を体験したのかどうか、という点。
島内景二さんの書かれた「伝奇のリアリティ」という文章には次のようにある――
- 昭和八年生まれの半村良は、奥能登に疎開したため、本人は直接には大空襲に巻き込まれなかった。
- しかし、終戦まで疎開を続けることなく東京にもどった半村は、小学校五年生にして地獄を見ることになる。「翌二十年三月九日から十日にけて、私はあの東京大空襲で焼け焦げる場所のどまん中にいたのだ。」(『小説新潮』1989年3月号「雀と玩具」)
巻末の「略年譜」には――
- 1945年 小学五年、まだ戦中の東京に戻る。
しかし、全体としては半村良という作家を振り返るよい刺激になりました。誰かが評伝を書かねばなるまいと思うのですが……。