この商店街には上のリンクで見られるように、ゲゲゲの鬼太郎をはじめとする妖怪たちの像があります。作者の水木しげる先生がここに事務所を構えておられる関係から、町おこしのために飾ったのです。
が、5月下旬、何者かが鬼太郎を拉致し、子泣き爺の頭を割ってしまいました。
このままではなんとも寂しいので、商店街が鬼太郎復活のための募金をする(像の製作費は高いらしい)という話を聞きました。今日が、その募金の日なのです。
商店街に入ると、ちょうど反対側から水木先生が歩いて来られます。事務所から引き上げるところなのでしょうか。心の中でご挨拶をして、そのまますれ違いました。
で、商店街を歩いてみたのですが、募金をしている様子が見られません。
「どうしたのだろう?」と思って店先にいるオバさんに聞いてみると、「もう終わった」というのです。午後4時くらいまではやっていたらしい。
わずかながらでも協力しようと思っていたのに、募金できないのは寂しい。店の方に小銭を預けて事務局に届けてもらうことにしました。
帰途、天神さまの前にさしかかると、境内の古木の下で三脚を据え、カメラで樹上を狙っている人たちがいます。
野次馬なものなので、「何ですか?」と寄ってゆくと、高い枝を指差して「見えますか? アオバズクらしいですよ」と教えてくれました。
見えました。ハトぐらいの大きさでしょうか。でも、頭が大きいのでもっと大型の鳥のように見えます。
枝の上でじっとしている姿は、古びた袈裟を被ったお坊さんのようにも見えます。ここは天神さまの境内なので、お坊さんよりも神主さんの方がふさわしいのですが、そんなことをいっても鳥にはわからないだろうな。
〈遊歩人〉7月号(文源庫)が出ています。書評のページで、ウェンディ・ムーア『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』(矢野真千子訳、河出書房新社)、長山靖生『奇想科学の冒険』(平凡社新書)、西原理恵子『できるかなクアトロ』(扶桑社)を紹介しました。
『解剖医ジョン・ハンター……』は無類に面白い評伝。西原さんのマンガでは、岩井志麻子さんと柳美里さんの似顔絵に仰天しました。