惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

金蘭

2012-05-07 20:49:42 | 草花
 2日前に見つけたキンランを、今日の夕方、撮ってみました。
Kinran1205 花は開ききることがないので、こんなものでしょう。ラン科の多年草。

 薄暗い林の中で40~50センチの高さにすっくと伸び、明るく咲いているのでかなり目立ちます。誰かに採られなければいいのですが。
 ランの類は栽培が難しいので、掘りとって移殖しても枯らしてしまうことが多いのです。

 ちょうど〈日経サイエンス〉の今月(6月)号に「好みのうるさい蘭と菌」というタイトルの記事が出ています。

 以前、ネジバナ(これもラン科ですね)のことを書いた時にも触れましたが、ランの成長には特有の菌根菌との共生が必要で、この菌から養分をもらえないと発芽、成長できないのです。
 記事の内容は「菌根菌が成長する場所と、どんな条件だとランの発芽を促すのかについて、新たな手がかりが得られた」というもの。

 それによると、古い森には菌根菌が若い森の5~12倍存在し、種類も多様だとか。
 ランが育つ条件は種によってさまざまで、あるランは古い森だけで発芽し、若い森に菌をまいても発芽しない。また、あるランは腐敗中の木の上でのみ、菌によって発芽を促進させられるとか。

 今日の林はそんなに古くありませんが、樫の木が生い茂り、地面には枯れ葉が厚くつもっていました。20本ほどもキンランが生えていたから、条件的には恵まれているのでしょうね。