夕食のおかずにサンマを焼きました。この秋、4回目か5回目。
焼き魚は私の担当なので、軒下で七厘に火を熾しました。
写真は裏返しにしたところ。あと2~3分で焼きあがります。
返す前、片面がほぼ焼けてきて、皮の内側がふつふつと煮えているのが好き。指先で触ると、よくわかります。「もうすぐ裏返せるぞ」と、ほくそ笑んでしまう。
写真でわかるかと思いますが、網は七厘にそのまま載せるのではなく、レンガを置き、その上に載せてます。
炭火での焼きもののコツはこれだと思ってます。強火の遠火を実現するには、七輪だけでは無理。
こうやってじっくり片面を焼き、ほぼ出来上がるのを待って裏返します。
ところで、サンマといえば佐藤春夫。
「秋刀魚」という表記は、彼の詩「秋刀魚の歌」で広く流布するようになったと、ものの本には出ています。それまでは「三馬」とか「秋光魚」とか、さまざまに書かれていたみたい。
その「秋刀魚の歌」。佐藤春夫と谷崎潤一郎の妻(後に春夫の妻)とのややこしい関係を知らなければ読み解けない奇妙なもので、サンマの美味しさとは別物としかいいようがありません。
- さんま、さんま
- さんま苦いか塩つぱいか。
- そが上に熱き涙をしたたらせて
- さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
できれば涙はしたたらせず、スダチにおろし大根、醤油といきたいものです。
今夜はスダチを切らしていたのが残念ですが、それでも申し分なく美味しかった。
1尾がちょうど1人前の分量というのも、サンマの偉いところ。