惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

ミク神

2014-11-16 20:39:53 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日(土曜)朝のNHKfm、ピーター・バラカンさんがDJをつとめる「ウィークエンドサンシャイン」を聴いていたら、リスナーの人からの次のようなお便りが紹介されていました――

 

    テレビでサブカルの歴史をたどる番組を観ていると、
   舞台上の初音ミクに向かって大勢の人がスティックライトを
   振っている場面があり、ああ、これはポール・サイモンが
   「サウンド・オブ・サイレンス」で歌っていたことのようでは
   ないかと思った。
 

 正確な引用ではありませんが、それを聞いて、私も「なるほどね」と思ったことでした。
 「サウンド・オブ・サイレンス」の歌詞には次のような部分があります――

 

   そして、人々は頭を垂れ、祈った
   彼らが生み出したネオンの神に

 

 ここが予言になっているというのですね。

 

 ポール・サイモンは若い頃、とても熱心に聞いたミュージシャンで、デビューしてから「グレイスランド」あたりまでは、ずっとアルバムを買い続けていたように思います。
 「サウンド・オブ・サイレンス」は、コンビを組んだアート・ガーファンクルとのデュオ、サイモン&ガーファンクルのデビューヒット(その前にトム&ジェリー名義で「ヘイ・スクールガール」を出してますが)。初めてラジオで聞いた時は、背筋が震えるような思いをしたことでした。そして、歌詞も熱心に読み、今でも歌えるぐらいです。

 

 「サウンド・オブ・サイレンス」での、ネオンの神のビジョンは、暗く、やり切れないものですが、もしそれが初音ミクだったとしたら、かなり変わったものになるのではないでしょうか。

 明るく、能天気な「神」のイメージ。

 しかし、そこにも底知れない恐ろしさがまとわりついているかもしれません。
 通り一遍のディストピアではない、深い意味がくみ取れる未来像を描き出すヒントがあるように思いました。

 

 ちなみに、ポール・サイモンに続いて聴きこんだミュージシャンの名を挙げれば、ハリー・ニルソン、ザ・バンドといったところになります。ロックファンというよりは、ポップスファンだったのです。