惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

『押川春浪回想譚』

2007-05-24 20:54:12 | 本と雑誌
 いよいよ第74回日本ダービーの出走馬と枠順が確定しましたね。気合を入れて研究せねば。
 ただ1頭の牝馬ウオッカがどんな走りをするのかも楽しみ。
 とはいえ、勝ち馬の予想は難しい。ヴィクトリーが中心なのでしょうか。私としてはフサイチホウオーに注目したいのですが……。
 まだまだ日曜まで、楽しい悩みが続きます。

 横田順彌著『押川春浪回想譚』(出版芸術社〈ふしぎ文学館〉)が発刊されました。お馴染み、押川春浪と鵜沢龍岳、それに龍岳の婚約者・時子が活躍するSFミステリの連作短編集です。

 私は、この本のオビの「推薦文」を書きました。この種の仕事は初めて。

 これまで色々と「推薦文」なるものを見てきて、
 「何でも誉めれば良いってものでもないでしょう」
 と思うことがなかったわけでもないので、いざ、自分がその役割を果たすとなると緊張しました。
 よろしければ、店頭で見てやってください。そして、ぜひともお買い上げを……。


東京大空襲と半村さん

2007-05-23 20:58:11 | 本と雑誌
 KAWADE夢ムック『文藝別冊[総特集]半村良』は、半村さんを知る人のエッセイや評論などの他に、半村さん自身の作品も収録されている。
 その中に句集があり、全部で31句(これがお詠みになったすべて?)。で、次の一句を見て「ギャッ!」といいました。
桔梗散って残りの菊のふてぶてし
 半村さんの真骨頂というべきでしょうか。

 気になったのは、幼かった半村さんが東京大空襲を体験したのかどうか、という点。
 島内景二さんの書かれた「伝奇のリアリティ」という文章には次のようにある――

 昭和八年生まれの半村良は、奥能登に疎開したため、本人は直接には大空襲に巻き込まれなかった。
 ところが、野村芳夫さんは「半村良小伝」で次のように記している――
 しかし、終戦まで疎開を続けることなく東京にもどった半村は、小学校五年生にして地獄を見ることになる。「翌二十年三月九日から十日にけて、私はあの東京大空襲で焼け焦げる場所のどまん中にいたのだ。」(『小説新潮』1989年3月号「雀と玩具」)
 ご本人がこう書いている以上、空襲を体験したと考える方が確かなのでしょうね。
 巻末の「略年譜」には――
1945年 小学五年、まだ戦中の東京に戻る。
 3月9日以前に東京に戻っていれば、空襲に遇われているはず。やはり、大空襲を体験しているのでしょう。1冊の本なので確認、統一して欲しいところでした。

 しかし、全体としては半村良という作家を振り返るよい刺激になりました。誰かが評伝を書かねばなるまいと思うのですが……。


チャドクガ発生

2007-05-21 20:56:16 | 園芸
 玄関脇のサザンカは柔らかそうな若葉を広げ、日の光につやつやと輝いています。ただ、一箇所、奇妙に葉の欠けた枝がある。

 「まだチャドクガには早いのでは……」
 と思いつつ見上げていたのですが、どうも様子がおかしい。1枚の葉が、輪郭がぼやけています。
 脚立を持ち出してそばで見てみると、やはりチャドクガでした。幼虫が葉にびっしりと群がり、その毛がはみだして葉の輪郭がぼやけたようになっているのです。

 「ひえ~! やばい!」
 ということで、退治しました。毛虫用の殺虫剤を吹き付けてから、枝ごと切り取り、ポリ袋に突っ込みました。

 まわりをよく見ると、もう1枚、葉の裏側に幼虫が固まっているのが見つかりました。こちらは孵化してまだ間もない様子。
 そのまま葉っぱごと取り除きました。これぐらいだと、地面に穴を掘って埋めてしまえばいいようです。

 季節がよくなって、心地よいのは人間だけではないようですね。動物たちもいっせいに繁殖し始めてしまいました。
 しばらくはサザンカや椿を注意していなければ。

 (一応、写真も撮ったのですが、不快に感じられる方もいらっしゃるでしょうから掲載は見合わせることにしました。)


土曜サロン

2007-05-19 20:24:58 | 本と雑誌
 午後、南青山の推理作家協会事務局へ。
 ここへ来るのは初めて。毎月1回行なわれている「土曜サロン」という催しに、今回は最相葉月さんが招かれ、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)のお話をなさるというので出かけたのでした。

 近所にお住まいの最相さんはビアンキの小さなタウンサイクルで登場。後ろに取り付けた大きめのサイクルバッグがお洒落です。

 お話は大橋博之さんが聞き役になって、最相さんが答えるという形で進行。取材のきっかけから、資料のこと、星新一さんの父親・星一(はじめ)さんのこと、星さんの異性観など盛沢山な内容でした。

 私のいちばんの印象は「星家は謎だらけ」というもの。
 星さん自身が父親から身の回りのことについて、ほとんど何も聞かされていない。そして、星さんも家族には自分や家族のことなどほとんど何も語っておられなかったようだ。
 この評伝が出来ての、星さんの奥さんの感想――「これで色んなことがわかりました」。

 もっとも、本に書かれた事実が判明するたびに、最相さんは奥様に報告なさっておられたとのこと。評伝は書いたものの、クレームで本が回収されたりすることがないよう、細心の注意を払われたようです。

 膨大な資料を整理し(まだ作業が一部残っているそうですが)、大変な労作を書き上げられたとは思えないような軽やかな印象を、最相さんからは受けました。また、細かい質問にも精確にお答えになる様子は、頭脳の構造が緻密かつ整然たるものであることを物語っています。
 これからさらに、星さん関係の成果が積み上げられることに期待するとともに、新たなお仕事がどのようなものになるかも楽しみです。


新しい仲間

2007-05-18 20:33:51 | ペット
 野良猫にも個性があって、人間にすぐなつくのもいれば、警戒心が強くて近づこうとしないのもいます。
 今日、出会ったのは、その中間。こちらに興味は示すけれど、接近すると逃げてゆく。何日か前から見かけるようになり、気になっていたので、今日はじっくり付き合ってみることにしました。

 「ニャア、ニャア」と呼びかけてみる。
 返事をします。脈あり。でも、返事はするものの、接近は許さないのもいるので、ことはそう簡単ではありません。
 この猫も一定の距離を置いて、用心しています。

 じっと立ち止まり、時々、呼びかけてみて様子を見る。猫は少し離れたところに座り込んで身づくろいをしたりしています。
 でも近づくと、歩き去ってゆく。
 辛抱強く、ゆっくりとついてゆくうちに、階段にさしかかりました。外側に鉄柵があり、猫はその外側を、体を柵にこすりつけながら上ってゆきます。私は人間だから、柵の内側を上る。

 ここで追いつきましたが、今度は逃げません。柵があるので、いざという時は安心だという気がするのでしょう。
 優しく呼びかけながら手を伸ばし、首の後ろ側を撫でてやりました。

 というわけで、接触に成功。次回からは、もっとスムースにゆくかな。