惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

二ヶ領堰

2012-10-10 20:53:30 | まち歩き
 夕方の散歩は多摩川まで。
 我が家から直線距離にして約2キロ。ポッカールをぶら提げて歩きました。往復8900歩。

 土手を歩いていたら、向かいから来たマウンテンバイクのオジさんが目の前で停まりました。顔を見ると、市民プールの常連さん。
 「泳いでますか?」と聞かれたので、「いや、夏場以外はもっぱら散歩です」と答えました。

 「それは子どもの玩具?」と、ポッカールを指さして聞くので、「いやいや、ドイツ製の5万円もするスポーツ用品ですよ」と見栄を張りました。
 別れてから、土手の斜面などで少し部活(ポッカール&ウオーキング)。

Nikaryozeki1210 写真は多摩川を堰きとめる二ヶ領堰。
 多摩川下流域をうるおすために関が原合戦の頃、作られた用水路の取水堰です。

 「二ヶ領」とは、稲城と川崎のこと。今の川崎市の多摩川南岸のほとんどをうるおしているといっていいでしょうね。徳川家康の指示で造られたようですが、実に見事な灌漑工事です。


関東嫁菜

2012-10-09 21:17:08 | 草花
 朝晩はずいぶん涼しくなりました。ついこの間まで厳しい残暑だったので、よけい身に応えます。

Yomena1210 野川公園で撮ったこの野菊は、たぶんカントウヨメナ。キク科ヨメナ属の多年草。

 カントウヨメナは東日本に生えるヨメナという意味でしょう。
 手持ちの図鑑には、ヨメナが「中部地方以西」、カントウヨメナが「関東地方以北」とあって、東西で棲み分けがされているようです。しかし、温暖化が進んだ昨今では境界が移動しているかもしれません。

 「嫁菜」に対して「婿菜」というのもあり、同じキク科のシラヤマギクのことだそうです。
 ヨメナもムコナも若菜を摘んで食用にしました。ヨメナは「うはぎ」という古名で万葉集に登場します――

春日野に煙立つ見ゆ をとめらし 春野のうはぎ摘みて煮らしも
 「うはぎ」はやがて「おはぎ」に転じましたが、さて、いったいどういう意味なんでしょう?

稲干し

2012-10-08 20:47:32 | 季節
 午前中は秋晴れのすばらしい青空でした。
 夕方には雲も出たのですが、それでもまずまずのお日和。

Tanbo1210 いつもの散歩コースでカニ山付近を通ると、田んぼに刈り取った稲が干してありました。
 お百姓さん、ホッとしているでしょうね。

 子どもの頃、ずっと家の農作業を手伝っていて、春の田作り、田植え、草取り……と季節が進み、稲刈り、脱穀まで来ると、子ども心にも解放感を覚えたものです。
 刈り取りがすんで、広々とした田んぼを、裸足で走り回るのが好きだった。

 ノーベル医学生理学賞に山中伸弥教授。素晴らしい。
 対象となった研究は「細胞核の初期化」ですよね。同じ遺伝子セットをもつ細胞が、なぜさまざまな臓器に分かれてゆくのか、ほん少し前には見当もつかなかった不思議が、この研究でどんどん解明され、人工臓器も夢でなくなった。まさに目を見張る成果。ⅰPS細胞開発以後の研究競争も見逃せません。


未来を想像し、未来を創る

2012-10-07 21:52:29 | SF
 ――という言葉は、日本SF作家クラブ50周年記念行事の統一テーマ。

 同クラブの会長である瀬名さんが○○科学館だとか出版社など30もの会社、団体を回って「50周年記念行事を一緒にやりませんか」と訴えかけた際に、何かテーマが必要だということで、古参会員の門倉純一さんが捻り出したのだそうです。

 昨日のジュンク堂池袋本店での瀬名さんのトークイヴェントは、この言葉を巡っての1時間あまりとなりました。

 未来のビジョンを語ることは、かつてはSF作家の役割で、小松左京さんはそういった面での業績を上げたが、今のSF界ではいなくなった――と「未来とSF」に関する話題を始めた瀬名さんは、最近は科学者、研究者にそういった役割がまわっていっているが、そういった人たちはどうしても自分の専門とする範疇を超えることができない。H・G・ウェルズの『解放された世界』などを読むと、人類全体や文明の行く末についての真剣な主張が心を打つ。未来のヴィジョンを提出するためのエンジンとして、小説は強い力をもっているのでは、とおっしゃる。
 かつて、ネクシャリスト(ヴォークトの『宇宙船ビーグル号の冒険』に登場する「総合科学者」)たるのがSF作家のつとめでは、といわれたことがありましたが、その瀬名さん的ヴァージョンと捉えればいいのでしょうね。

 瀬名さんの考えるSF像は、趣味の世界に没頭しきるのではなく、社会とコンタクトし、社会に向かって開けている部分が不可欠なものと受け止めました。
 SF作家クラブ50周年を世の中に喧伝するためには、こうした立場を強調する必要があるでしょう。そのために会長が先頭に立って頑張っている現状を後押ししたいと思います。

 ところで、この日のSFブックミュージアム開設に合わせて瀬名さんが刊行した2冊の本――『大空のドロテ Ⅰ』(双葉社)と『SF作家 瀬名秀明が説く!  さあ今から未来についてはなそう』(技術評論社)のうち、『大空のドロテ』には私も強い思い入れがあるのです。
 本書の原型は、雑誌〈小説推理〉の2002年8月号から2004年2月号まで連載されたもの。その連載を開始するにあたって、グラビアなどで予告を打ったのですが、その際、一緒に所沢の航空発祥記念館まで出かけ、20世紀初頭の飛行機を眺めたりしながら、飛行機のこと、アルセーヌ・ルパンのことなどをうかがったのでした。
 あれから10年。その間に瀬名さんは飛行免許を取得し、ご自分でも操縦桿を握るようになった。内容がぐんと充実し、さらに読み応えがあるものになっていると思います。三ヶ月連続で刊行される『大空のドロテ』。楽しみにしています。

 今日の午後はお江戸日本橋亭に出かけ「月亭八天TOKOYO独演会」を聞いてきました。
 「噺をノベル!」で八天さんの高座を聞き、ぜひ古典も聞きたいと思っていたところ大ネタ「らくだ」をやるということで、願ってもない機会。
 いやあ、堪能しました。気弱なクズ屋が大トラに変身してゆく芸の見事さ。また聞きたい。


テープ&ケーキ・カット

2012-10-06 21:34:56 | SF
 午後2時、ジュンク堂池袋本店で「SFブックミュージアム」が開幕しました。
 これは日本SF作家クラブ50周年を記念してのコラボレーション企画。現在、店頭で入手できるSF本をできるかぎり集めて展示するというもので、 池袋本店では来年4月30日まで。他の全国ジュンク堂書店でも次々と来年9月末まで開かれます。

Sfbookmusium1210a 写真は開幕のテープカットの様子。右から、夢枕獏さん、山田正紀さん、ジュンク堂池袋本店店長さん。その左でデジカメを構えているのは高野史緒さんですね。

 本は、日本人作家を中心にジュヴナイルSF、在庫僅少本、評論集などたくさん。

 ただ山田宗樹さんの話題作『百年法』(角川書店)とか、周辺作家のSF作品までは並んでいないのが残念。ま、そこまで範囲を広げると収まらなくなるんでしょうね。

Sfbookmusium1210b ところで、このテープカットについては山田正紀さんがツイッターで「夢枕さんとケーキカット!」と予告していたのですが、それを見たYOUCHANさんがちゃんとケーキを用意してきて、テープの後でケーキもカットさせたのでした。
 YOUCHAN、グッジョブ! 素晴らしいセンスです。

 その後、午後4時からは日本SF作家クラブ会長の瀬名秀明さんのトークイヴェント。「未来を想像し、未来を創る」という50周年記念行事の統一テーマに関連して話されました。これについては、長くなるので、また日を改めて。