先週木曜日にチャプターイレブン(米連邦破産法11条、日本の民事再生法に相当)を申請した米国の家電量販2位のラジオシャック。昨日(2月7日)の日経新聞朝刊には「米流通再編アマゾン震源 ネット、実店舗のむ」というタイトルのもとで、ネット販売に顧客を奪われて、家電量販店が倒産に追い込まれたと書いている。
無論ネット販売によって家電量販店が売上を奪われたことは事実だが、それは瀕死の病人の最後のチューブを引き抜いたようなもので、何故ラジオシャークが瀕死に陥っていたか?を見ておかないと、日本の家電量販店の将来を考える上で誤りを犯す可能性があると私は考えている。
フォーブスによると、ラジオシャックは1984年に携帯電話の販売を開始して以来、73百万台の携帯電話を販売している。また同社はソニーのウォークマンやCDプレーヤーの売上でトップに立っていた。ところがスマートフォンの登場で、CDプレーヤーなどは時代遅れになってしまった。そこで同社はスマートフォンの販売に力を入れ、売上の半分をスマートフォンに依存するようになっていた。ところが2007年にアップルがiPhoneの発売を始めた時、同社はiPhoneの直売を強化するため、ラジオシャックのような再販業者のマージンを切り下げた。それが同社の利益を直撃した、ということのようだ。
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日経新聞は前述の記事の後ろに「日本勢は融合手探り」という小さな記事をつけていた。
日本の家電販売のネット販売額は約7,400億円で家電販売の約1割まで高まったようだと書いている。
そこで過去1年ぐらいの我が家の家電購入チャンネルを振り返ってみた。我が家の家電購入チャンネルは主に3つある。「ヨドバシカメラのネット販売」「近くのパナピットの店」「メーカー直販」だ。
「ヨドバシのネット販売」では、主に商品が特定されているもの(たとえばプリンターのインクなど)を買う。「近くのパナピット」はワイフがお気に入りなので、ワイフが購入権を持っている台所回りの家電品(電子レンジなど)や設置を伴う家電品(ドアフォンなど)を買う。「近くのパナピット」は小回りが利くので、将来自分で色々なことがやり難くなった場合に備えて、お付き合いをしておいた方が良いという打算も働く。
「メーカー直販」の例は少し前では、タブレットNexus7で、新しいところではEvernoteのscansnapだ。Scansnapの製造元は富士通だが、Evernote版はEvernoteとの連携性が高いので、非常に使いやすいのである。
なお商品によっては、色々なメーカーの商品の特徴を聞きながら、購入する商品を決める場合もある。このような時、私はヨドバシカメラの店舗で相談し購入することにしている。理由は店員の商品知識が豊富で正確なことと、パソコンなどのアフタケアがしっかりしていることだ。
このように考えてみると、消費者が家電購入チャネルを決める動機は価格以外にも色々なものがあることが分る。逆にいうと、色々なチャンネルは、その分野で顧客の信頼を得ることができれば、生き残ることができるのだろうと私は考えている。