金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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イエレン議長、議会証言をうまく乗り切る

2015年02月25日 | 金融

昨日(2月24日)米国上院の銀行委員会で金融政策について、イエレン連銀議長が議会証言を行った。Chronの記事のタイトルは、

Yellen navigates tricky path on interest ratesと書いていた。Navigateはカーナビのナビ。導くという意味の他「議案などをうまく議会を通過させる」という意味もあるから、政策金利引上げというトリッキーな問題に言質を与えることなくうまく乗り切ったという意味だ。

イエレン議長は世界は連銀は金利を引き上げる準備をしている訳ではないことを知ってほしいと述べた。雇用市場はいまだ回復途上であり、インフレ率は極めて低いからだ。一方で議長は金利引上げが正しいと判断した時には金利引上げを行う道筋を考えているとも述べた。

イエレン議長の議会証言の後のエコノミスト達の反応については、多くのエコノミストは6月に最初の利上げが行われるだろうというものだったが、9月利上げ説を取るエコノミストもいた。

投資家たちは、今まで連銀は金利引上げについてpatient(辛抱する)と述べていたイエレン議長の証言を好感したと思われる。つまり景気が更に持ち直し、賃金上昇が明確になるまで金利引上げは行われないだろうというムードが支配的だった。その結果、ダウ・S&P500とも新高値を更新した。

また中にはFOMC議事録からpatientの文字が取り除かれても、それはすぐには金利引上げを意味しないという解釈まででているようだ。

個人的にはそこまでいうのは、「金利引上げという不都合な事実」を見たくないというバイアスがかかっているのではないか?という気がする。現在は世界的に見てほぼ株価の高値更新が続いているが、これは金融相場の最終局面に起こる現象なのかもしれない。皆怖いけれど、株価が上がるからついて行っているというところがあるのだろう。

このあたりで本当は長期的に安定した業績を持っている地味な会社の株に注目するべきなのだろう、などと考えている。

コメント
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