金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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米雇用者数急減で今月の金利引上げ見通しは急低下。ドル高加速。

2016年06月04日 | 金融

昨日(6月3日)発表された米国の雇用統計では、5月の非農業部門雇用者増は38千人と事前予想の162千人を大幅に下回った。また3月4月のデータも下方修正されここ3カ月平均の雇用者増は116千人となり、それまでの12か月間平均219千人の半分程度まで雇用ペースが減速していることが明らかになった。

5月の雇用統計では電話会社ベライゾンの4万人のストライキの影響で低い数字がでると言われていたが、その分を考慮してもちょっとショッキングな数字だったようだ。

金利先物価格から割り出した今月の連銀の金利引上げの見込みはそれまでの21%から4%に急落した。

目先の金利引上げが見送られそうだということで、ドル売り円買いが加速して、2円程円高になりドル円為替は106円台後半で取引された。

失業率は前月の5%から4.7%に低下したが、これは仕事を探す人が減ったためと理解され好材料にはならなかった。

雇用形態別ではパートタイムが139千人増加し、フルタイムが59千人減少した。

明るいニュースの少ない雇用統計の中で、良かったの時間当たり賃金が前月比0.2%上昇したこと。前年比では2.5%の上昇となった。

全般的に景気回復基調にあると思われていた米国の雇用に急ブレーキがかかった理由については今後色々な分析がでるだろうから着目しておきたい。

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