昨年末は所用で何度か新幹線で京都を往復したのですが、その中の一回京都に向かう時偶々隣の席がシンガポール人の女性だったことがありました。
私は二人掛けの席の窓側の席。隣がその女性。通路をはさんで大人の男性1名と子どもが二人という位置関係です。その女性と残り3人はペチャクチャお喋りをしていますが、時々英語が混じるのでシンガポール人だろうな?とあたりはつきました。
ペチャクチャに我慢しているのも業腹ですので、思い切ってこっちから「シンガポールから来たの?これからどちらへ?」などと英語で話しかけてみました。するとその女性は気さくな人で「私はダンナと東京に転勤して約8か月」「となりの男性はダンナではなく兄弟」「こどもは甥と姪」「これから関西旅行」「日本語も少しだけできるのよ」などと教えてくれました。
私も「もうすぐ富士山が見えるよ。写真を撮るならデッキが良いな」「小学校は今休みなの?」「弟さん一家はずっとホテル泊?流行の民泊は使うの?」なんてchatを楽しんでいました。その内持参のイチゴを頂いたりして・・・
ということで偶々席が隣合わせた外国人のお喋りをうるさいと感じることなく、京都まで楽しい旅ができました。隣が気さくそうな人ならこちらから踏み込むというのも手かもしれません。むすっとして2時間座っているのは気詰まりですから。
これだけなら「旅は道連れ世は情け」で終わりなのですが、実はまだ続きがあるのです。
というのはその女性は自分もシンガポールの不動産会社のセールスマネージャーをしていて、世界各地を飛びながら、投資家集めとか開発物件探しなどをしているというのです。
今私は海外不動産投資を行っている訳ではありませんが、国内の不動産開発ということになると全く無縁という訳でもありません。
そこで日本の不動産事情等について多少説明したりすると、その女性「帰ったらメールで会社の案内をするから来月(1月)にはまたミーティングしたい」と言い出しました。
そして本当に数日後ちゃんとしたメールが来ました。ちゃんとしたメールという意味はきちんとした英語でかかれたメールという意味です。きちんとした英語を書くことができるということはきちんとした大学教育を受け、きちんとした職業経験を積んできたことを意味します。
メールを貰うと返事を出すのが礼儀ですが、きちんとしたメールを書くのは大変です。文法的な誤りの少なそうな文章は時間をかけると書くことはできますが、良い文章は書けるものではありません。トレッキングの旅程交渉位なら簡単なのですが、相手に妙なビジネス上の期待を抱かせることなく、それでいて必要な時には情報を貰いたいといった微妙な距離感をさらりと書くのは大変ですね。
メールを受け取った彼女、恐らく腹の中で「日本の中高年男性ってホントに英語書くの下手ね」と笑っている気がします。
とはいうものの、この先何かがあるかもしれません(もちろんビジネスの上です)。あるいはこんなpoorな表現力しかない人と話しても始まらないわ、ということで何もないかもしれません。
それはいずれにしても今後のお楽しみです。
仮にもし何かお互いにwinwinになるようなことがあれば、「少々ウルサイと感じても外国人旅行者とはお喋りした方が良いですよ。予期せぬ面白い話がついてくることもあるから」という教訓めいた落ちになるのですが、現時点ではまだ「旅は道連れ世は情け」の域をでる話ではありません。