昨日(1月11日)行われたトランプ次期大統領のニュースカンファレンスの後、ドルは円・ユーロ・豪ドル等に対して急落した。
ドル円為替はブログを書いている今、114円をはさんで取引されているが一時113円台まで円高が進んだ。
昨日のニュースカンファレンスでトランプ氏が、景気刺激策・貿易・税制改正等について具体的な政策案を示さなかったことが、ドル急落の原因だ。
「選挙後のドルラリーは終わった」というアナリストもいる。一方1月20日の大統領就任演説では、もっとマーケットフレンドリーな演説を行うだろうという見方を示す人もいる。
もっともトランプ氏は貿易収支の不均衡について名指しで日本を批判しているから、潜在的な円買い圧力は大きいかもしれない。
リスクという言葉を金融用語として考えるとプラスであれ、マイナスであれ変動幅が大きいことを指す。つまり大統領選挙後の突然のドル高はリスクそのものであった。そしてその反動としてのドル安もまたリスクである。
賢明な投資家は「リターンが同じであればよりリスクの低い投資行動を取る」と言われている。今の為替相場のようにトランプ発言(というかこれまでのところツイッターでのつぶやきが中心)に振り回されるマーケットには入らないのが賢明ということなのだが、悩ましいのは今比較的安心して株に投資できる市場がほとんど米国市場だけということだ。
米国経済は強い。そのことは大統領選挙前からはっきりしていた。そして今後政策金利は何回か引き上げられるだろう。回数と時期は不明だが。米国金利の上昇というシナリオにはリスク(ブレ)が少ないといえる。この時期リスクの少ない投資は少し長い目で米国金利上昇にbetするが、短期の為替変動からは少し身を引くということかもしれない。