昨日の米国株市場はここ2週間ほどの軟調な相場から抜けだし、堅調だった。S&P500はザラ場で初めて2,600ポイントを超えた。
相場を牽引したのは、ハイテクとヘルスケアだった。
ハイテク株にはまだ伸び代があるという期待のもと、新たな資金が流入しているのだろう。
だが株価が高値圏に入ると、いずれは下落するのではないか?という懸念も高まるのが人情というもの。
そんな中バンカメ・メリルは「株価は2018年の前半は上昇を続けるが、後半には下落するのではないか?」という予想を発表している。
同社の予想では、S&P500のピークは2,863ポイント。現在より10%高い水準だ。
今年の株価予想では一番弱気の予想を立てていた(今年のS&P500を2,400ポイントと予想していた)ゴールドマン・ザックスは、2018年の予想を2,500から2,850に引き上げた。
2社の予想から判断すると、S&P500は後1割程度は上昇する可能性が高いと大方の市場参加者が判断している可能性が高い。株高を予想する理由は堅調な企業業績と懸案の税制改革法案が可決されるという判断だ。
バンカメ・メリルが、来年後半に株価の下落を予想する理由は、賃金インフレが顕在化し、賃金上昇率は3.5%、物価上昇率は2.5%になり、連銀の金融引き締め政策が顕著になるというものだ。
もっともこのシナリオ通りに賃金上昇とそれに伴う物価上昇が起きるかどうかは分からない。賃金上昇が起こらなかった場合、強気相場はバブルの様相を呈しながら2019年まで続くとバンカメ・メリルは述べていた。
今年の株高を牽引してきたのは、アップル、アマゾン、アルファベット、フェイスブックなど一握りのハイテク株だった。S&P500全体の今年の株価上昇率16%だが、ハイテクセクターは39%上昇している。
ではハイテク株は非常に割高か?というと必ずしもそうではない。たとえばアップルのPERは15倍である。ハイテク株に伸び代があるという判断にも根拠はあると私は考えている。
以上のようなことを考えると懸念を抱きながらも「一儲けしよう」と考える投資家が多いのでしばらく米国株式相場は底堅いだろうと私は感じている。