トレッキングの後、カトマンズ盆地の5つの世界遺産を見学した。
ネパールには、2つの世界文化遺産と2つの世界自然遺産がある。前者はカトマンズ盆地と釈迦の生誕地ルンビニである。後者はチトワン国立公園とエベレストを中心としたサガルマータ国立公園である。私はルンビニ以外の世界遺産は過去に訪問したことがある。
カトマンズ盆地(英語ではValleyと書かれるがこれは「渓谷」ではなく「盆地」と解するのが正しい)では、7つのサイトが世界遺産に登録されている。
カトマンズのダルバール(王宮)広場・カトマンズの西にあるパタン市のダルバール広場・カトマンズの東にあるバクタプル市のダルバール広場・パシュパティ・ナート寺院・ボダナート寺院・スワヤンプナート寺院・チャングナラヤン寺院である。
今回我々はこの内、カトマンズのダルバール広場・ボダナート寺院・スワヤンプナート寺院・バクタプル市のダルバール広場・チャングナラヤン寺院を見学した。
なお個人的にはチャングナラヤン寺院以外は以前に訪問したことがあるので、これでカトマンズ盆地の7つの世界遺産は総て回ったことになった。
回った順番に紹介してみよう。
【チャングナラヤン Changu Narayan】
チャングナラヤンはカトマンズ盆地の東の端の丘に位置する。我々はヒマラヤの眺望場所として有名なナガルコットNagarkotに泊まってナガルコットから4時間歩いてチャングナラヤンを訪ねた(歩かなくても行けるが、半日のトレッキングとして面白い)。
ナガルコットでは夜ホテルの庭から星空の写真を撮った。
翌朝晴れてはいたがヒマラヤは薄い雲でかすんでいた。エベレストの右手に尖った山が見えた。マカルーだと思っている。
チャングナラヤンまでは畑の中の細い道を歩いて尾根沿いの入り口についた。そこからが結構長い。
チャングナラヤン寺院の門前町だ。
世界遺産ではあるが少し離れた場所なので、他の場所よりは観光客は少なそうだ。
2015年の地震で被害を受けた建物は再建中。ネパール最古のヒンドゥ寺院でナラヤン神(ヴィシュヌ神の化身)を祭る。
ガイドが盛んにIncarnationと繰り返すので「化身」を指すことが分かった。ヒンドゥ教は神様が多い上、誰々は誰々の化身などと説明されるので覚えられるものではない。
建物の外に石仏があった。これがナラヤン神なのかどうかは分からないが。
【バクタプル Bhaktapur】
チャングナラヤンからバクタプルまでは6㎞程度。歩ける距離だが、時間がもったいないので乗り合いバスで移動した。
バクタプルはカトマンズ盆地の中で私が一番好きな場所だ。理由は王宮広場前が広くゆったりしていることと遺跡が現在の生活とバランスよく共存していることだろう。
ニャタポラ寺院の五重塔。約30m。カトマンズ盆地で一番高い寺院だそうだ。
古い路地の中に残る「孔雀の窓」
ネパール工芸の最高傑作の一つと言われている。
この窓を見学するには、向かいの土産物屋の2階に登らせて貰うのが良い。
昨年来た時は土産物屋で木彫りのガネーシャ像を買った。そのことを店主に伝えて「今回は買わないけれどまた来るから」というと
しつこく「買え、買え」と言われることはなかった。
バクタプルは見どころ一杯で写真になる建造物も多い。
残念なことに幾つかの建物は地震で大きく破壊されていた。