今日(11月2日)にもトランプ大統領が、ジェローム・パウエル氏を連銀議長に指名すると発表する予定だ。
気まぐれな人事をするトランプ大統領にしては、この人事は手堅いと評価できる。
大方の見方はパウエル新議長は~少なくともしばらくの間は~イエレン議長路線を踏襲するだろうというものだからだ。
CNBCはJerome Powell is the 'boring' choice for Fed chair, but the best for stock market「パウエル氏は退屈だけれど、株式市場には最高の選択」と述べていた。
Jefferies のチーフファイナンシャル・エコノミストのMcCarthyは、「パウエル氏は退屈だけれど、急所を突いている」と述べている。
プライベートエクイティ会社での経験あるいは財務省高官としてソロモン・ブラザースの救済に当たった経験から、パウエル氏は「金融部門の規制緩和に積極的に動くだろう」と期待されている。
つまり金融政策は極端にタカ派的にはならないけれど、金融規制緩和は積極的という予想から「株式相場には最高の選択」という判断がでる訳だ。
もっとも連銀は議長だけが動かしている訳ではない。トランプ大統領は、新たに3名の地区連銀総裁を任命する予定であり、このメンバーの顔ぶれによっては金融政策はタカ派的(金利引き上げに積極的)になる可能性がある。
仮にタカ派的なスタンスが強まっても、銀行セクターにはプラス材料だ。つまりパウエル氏の登場は規制緩和およびタカ派ドリフトがあっても金融セクターにはプラスと市場は判断するだろう。
しばらく市場の動きを見てみたい。パウエル氏は退屈かもしれないが、市場はそれほど退屈なものではない。
なおまったくの余談だが、boaringは「もの・人が退屈な時の表現」だ。The movie is so boaring (あの映画は退屈だった)という具合に。
自分が退屈した時はI am so bored(とても退屈)という。I am boaringというと「私は退屈な人間です」ということになるようだ。