WSJはWhy the U.S.consider North Korea's Kim a 'Rational Actor'というタイトルの記事で、現在米国の情報機関や軍部が北朝鮮の金正恩が「合理的行為者」であると位置づけたと報じている。
この記事の中には現在北朝鮮を訪問中のフェルトマン国連事務次官の件は言及されていない。しかし同じ文脈の中で理解するべき話だろう。
つまり米国の安全保障問題の中枢部の連中が「金正恩は合理的な行為者なので、対話の余地があり~今年の9月に北朝鮮から政治対話をしたいという提案があった~国務省出身のフェルトマン氏が北朝鮮に出向いた」という文脈だ。
うがった見方をすると「金正恩は合理的行為者」というのは一種のおだてで、我々はあんたを合理的な行為者と考えているから、暴挙にでないで話し合いに応じてちょうだい、という誘いともいえる。
米国の情報中枢部が金正恩を合理的と判断する理由は「トランプ大統領の訪中時にミサイル発射実験を見合わせていたこと」や最近軍備増強に動いていないことにある。
記事はある米高官の「核兵器実験のために北朝鮮人民を飢餓に陥れることは合理的とはいえない」「しかし核兵器が金政権の生き残りのために極めて重要なものだと信じるとすれば、ミサイル・核実験もそれ程非合理な行為ではない」という言葉を引用してた。
金正恩が合理的行為者であるかどうかの当面のリトマス試験は、国連事務次官への対応なのだろうか?