金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米雇用堅調ながら、賃金伸びず

2017年12月09日 | 金融

昨日(12月8日)発表された米国の雇用統計は、市場予想より好調だった。

11月の非農業部門雇用者増は市場予想195千人を上回る228千人で、失業率は前月同様4.1%だった。

株式市場は好調な雇用統計を好感して、素直に上昇。ダウは117.68ポイント(0.49%)、ナスダックは27.24ポイント(0.40%)アップ。

ただ金利先物市場では、時間給が年率換算2.5%の上昇に留まったことに注目して、「連銀が来年の政策金利引き上げのペースを鈍化させるのではないか?」という見方が一部で起こった。

連銀の政策金利引き上げについて、今月の引き上げは確実。

その後については、3月までのFOMCで1回の引き上げの見込みは56.5%、その後6月までにもう1回の引き上げが行われる見込みは32.4%で、9月までにもう1回の引き上げが行われる見込みは54.4%というのが、先物市場を分析した結論だった(WSJによる)。

★   ★   ★

労働市場が完全雇用の状態にあるのに、賃金上昇のペースが遅く、インフレ率が連銀のターゲット2%に到達しない傾向は続いている。

その背景には、賃金の高い層が退職し、賃金の安い若年層が労働市場に入っている現象などがある。

連銀が仮に政策金利引き上げのペースを鈍化させるとすれば、株式市場にはプラスの材料だが、株式市場は既に「減税」など将来のプラス要因を取り込んでいる。あまりプラス材料を先取りし過ぎることは危険なような気がするが・・・

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ボストン・ヘラルド紙、チャプターイレブンを申請

2017年12月09日 | ニュース

USA Todayによると、ボストンの日刊紙ボストン・ヘラルドがチャプタ―イレブン(会社更生法)を申請し、GateHouse Mediaに身売りをすることに同意した。売却が認められるかどうかは裁判所の決定待ち。

ボストン・ヘラルドは、ボストンでは、ボストン・グローブに次ぐ大手の日刊紙。

記事によると発行部数64,500の同社は2000年のピーク時には、900名の従業員を抱えていたが、現在では従業員の数は240名に減っていた。

同社の設立日は1846年。この年に米国ではメキシコとの米墨戦争が勃発し、日本では孝明天皇が即位した。

短い記事は会社更生法申請の理由には言及していないが、新聞のネット化などで購読者が激減してきたことは間違いないだろう。

スイスのビジネススクールMIDが発表している世界デジタル競争力ランクで米国は、シンガポール、スウェーデンについて3位だ。

デジタル化の波は紙新聞を直撃。

ちなみにデジタルランキング27位の日本では最近新聞社の破産はニュースになっていない・・・・

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