金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「週何日会社に行く?」~自由な働き方に慣れていないオジサン達の会話

2017年12月13日 | うんちく・小ネタ

年末年始には、昔の仲間と忘年会・新年会で顔を合わす機会が増えます。

私は高校同期の新年会の幹事をやっている関係で、時々同期生から電話がかかってきます。電話で直ぐ話題になるのが「悠々自適か?まだ働いているのか?」という話。「多少仕事をしている」というとその次には「僕は週〇〇日会社に行っているけど、あなたは?」といった言葉が続きます。

私の場合正確に週〇〇日会社に行くという働き方をしていませんので、この手の質問に短い返事は窮します。親しい仲間には少し丁寧に「プロジェクトベースで動いている」とか「多少頭を使って自宅でアイディアをひねっている」などと説明はしますが。

働くことについて「どれ位会社に行っている」という拘束時間で考えるのは、我々が若くて一生懸命働いていた頃には「裁量労働」「在宅勤務」という概念や慣行がなく、仕事というものは会社に行って何時から何時まで働くものだ、と考えていたので、オジサン達の会話がこのように進むことは仕方のないことでしょう。

私は出社や関係者等との打ち合わせに出向く移動時間は極力削減し、その時間を自宅での仕事に回した方が効率的だと考えているのですが、オジサン達の中では少数異見のようです。

さて今から何十年か経って今の若い人が学校の同期会や会社のOB会で顔を合わせた時は仕事についての話の切り出しはどのようになるのでしょうか?

定年退職年齢が引き上げられていたり、あるいは定年そのものが廃止され、多くの方がフルタイムで働いている時代が来ているかもしれません。あるいは働き方が多様化し、会社に〇〇日行っているなんてことは話題にならないかもしれませんね。

 

 

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連銀を悩ませる「アマゾン効果~インフレ抑制効果~」

2017年12月13日 | 金融

WSJに物価に関する興味深い記事が2つ出ていた。

一つは11月の卸売物価指数が3か月連続で上昇し、年率換算3.1%になったこと。過去6年間で最大の上昇だ。

卸売物価を押し上げたのエネルギーセクターだが、それ以外でも幅広い分野で卸売物価は上昇した。

卸売物価の上昇は直ちに消費者物価の上昇にはつながらない。しかしエコノミストの中には「卸売物価の上昇は我々が曲がり角に差し掛かったことを示唆しているようだ」と指摘する人がいた。

もう一つの記事は、アマゾンのようなインターネット小売業が消費者物を持続的に押し下げているのではないか?という記事だ。

タイトルはAs the Fed deliberates, Amazon is making its job more difficult.

1990年代にウォールマートが小売業界で躍進し始めた頃には、ウオールマートによる物価抑制効果は「ウオールマート効果」と呼ばれた。

また2000年代始めには、ビッグボックスディスカウンターの出現で食品価格が抑制された。WSJはある調査機関によると2002年から2007年の間でビッグボックス効果で大部分の食品分野で平均価格は1.5%下落したと紹介している。

アマゾン効果(消費者が実店舗の価格とオンラインショップの価格を比較してショッピングする結果物価が抑制される効果)について、ゴールドマンザックスの研究では、コアインフレ率を0.1%を引き下げているとしている。

0.1%というと小さく見えるが、コアインフレ率自体が1.4%なので、そこに占める比率では約7%になる。

アマゾン効果は米国だけのものではない。日本でも物価抑制要因になっていることは間違いない。

イオンはアマゾンを迎え撃つため、脱・リアル専業を進めるために5千億円のデジタル投資を発表した。巨額投資を回収するためには、まず売上を増やす必要があるから、小売業界の価格競争はますます激しくなる。

連銀は今日政策金利0.25%の引き上げを発表する予定だ。これは既定路線なので、ニュース性はない。ニュース性があるのは、来年連銀がどのようなペースで政策金利の引き上げに取り組むか?ということだ。

だがたった二つの記事を見ただけでも、金利引き上げ判断が悩ましい仕事であるということは容易に想像できる。

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