人工知能に関する記事を新聞で見ない日はまずないだろう。
もっとも現在の人工知能はまだまだよちよち歩きの状態で人間が教え込んだ範囲の作業を行うに過ぎないが、
教え方を間違うと人工知能が人間を支配する可能性があるかもしれないことを示唆する記事に出会った。
WSJにWhat's on your mind? Bosses are using Artificial Intelligence to find out「何を考えているの?その発見に上司は人工知能を使い始めている」
記事は中規模クラスの鉄鋼メーカーが、従業員に所属組織をどう感じているか?を自由回答形式で記述させ、それをUlimate Software Groupが開発したXanderという人工知能を使って、分析していることを報じている。
人工知能はテキストブロックを分析して、従業員が楽観的か、混乱しているか、怒っているかなどを分析する。
米国では生産性の向上を図るために、以前から人工知能を使い始めているが、幾つかの会社は「従業員が言っていることと感じていることの違い」を探り出すために人工知能の利用を始めている。
人工知能は人事部門の生産性向上につながっているそうだ。
人事部門での人工知能の利用には、批判や懸念の声もある。例えば感情の表現は言葉ではなく、表情そのもので行われる場合が多いので、人工知能が文章だけで従業員の本当の気持ちを理解できるのか?という批判だ。
Xanderを開発した会社は「Xander(人工知能)は常に正しい答を得るとは限らない。しかしそれは人間も同じ」と述べている。
人が人を評価する人事考課というものは悩ましい。従来直属上司が部下を判断するのが人事考課だったが、最近では部下や同僚の評価も取り入れる多面評価というシステムを導入する会社も増えていると聞く。
その内日本でも多面の中の1人に人工知能が入る日が来るかもしれない。