今日から訪米する予定の安倍首相。WSJは森谷学園・加計学園問題等に加え、財務次官のセクハラ疑惑などで支持率が低迷する首相の問題と日本のセクハラ問題を取り上げていた。トランプ大統領との会談内容等には触れずに、である。
Sexual-Harassment probe shakes Japan as Abe's power weakensセクハラ徹底調査に揺れる日本、安倍(首相)の力弱まる
安倍首相はトランプ大統領との個人的な親密関係をアピールしているが、実のところ大統領はツイッターで日本の貿易政策に対する批判を強めている。安倍首相に力なし、と大統領が判断すると良くてあまり本気で相手にされない、悪くすると高い要求を突き付けられる可能性があるかもしれない。
さて記事のポイント
- (森友・加計問題等について)首相と政府高官は何も悪いことをしていないと首相は述べているが、世論調査は安倍内閣に対する信頼の衰退を示している。日本テレビの世論調査によると支持率は26.7%で第2次安倍政権発足後最低となった。
因みにギャラップ調査によると足元のトランプ大統領の支持率は39%。前回安倍首相が訪米した時と両首脳の支持率は逆転している。
- 小泉元首相は週末に安倍首相が今年後半に予定されている自民党総裁選で生き残れないだろうと述べた。
- 先週新たに問題になったのは福田財務次官が女性レポーターに「キスしようとか胸に触らせてくれ」とバーで迫ったというセクハラ問題。
- セクハラ問題について米国やその他幾つかの国ではセクハラや性暴力を告発する#MeToo(私も)という動きが、女性にセクハラ・パワハラに対する積極的な発言を勇気づけているが、日本では同様の現象は起きていない。
- 2016年に発表された日本の政府調査によると、日本の女性の約1/3は職場でセクハラを経験している。しかしセクハラを受けた女性の約2/3は正式に苦情の申し立てを行っていない。また正式に苦情を申し立てた女性の1割は満足のいく回答を得ていないということだった。
- また2015年に行われた別の調査では、日本では暴行された女性の僅かに4%だけが警察に告発している。因みに米国では約1/3の被害者が告発してるが。
というような内容で、安倍首相の訪米に対してWSJの記者の関心は、トランプ大統領との交渉内容よりも、政府高官のセクハラ疑惑に端を発した日本のセクハラ問題にあったようだ。