コロナウイルス騒動のプラス面はラッシュ時に電車が空いていたことだ。
やがて東京でも非常事態宣言が解除され、少しずつ通勤者が増えてくるだろう。3密への警戒は持続するからいきなり以前のような過密列車には戻らないだろうが。
過密列車を恒久的に減らす方法は都心集中を止めることだ。会社を郊外に移転すればよい。それが3密を減らす抜本策だが、そこに踏み込める会社がどれだけあるか疑問だが・・・・
さて兼好法師は「蟻のごとく集まりて、東西に急ぎ、南北に走る。・・・夕べに寝(い)ねて、朝(あした)に起く。・・・身を養ひて何事か待つ。期(ご)するところ、ただ老(おい)と死とにあり」と喝破する。
兼好法師の眼はまるで現在の仕事人間を見ているようだ。
「蟻のように東西南北に走り回って、夜家に帰り朝起きてまた仕事にでる。そんなにあくせくして何を期待するのか?何も期待できない。待ち受けているのは老いと死のみである。生きることの意味を知ろうとしないものは死を恐れず、生きることの意味が分からないものは老いと死が迫ることを悲しみ恐れる。それは無常の原理をしらないからである」
無常の原理を体得することは難しい。それができるのは覚者だけだ。
だが満員電車に詰め込まれて会社を往復することがおかしなことだと感じることはできる。おかしなことは少しでも改めた方がよい。全部改めることはできなくても少しづつでも改めるべきだ。たとえば週のうち1日でも2日でもよいからテレワークに切り替えよう。社会全体がそのようになればかなり通勤ラッシュは緩和されるはずだ。