前回のブログで電子本のメリットを紹介したので、次は紙の本が電子本より優っている点を紹介する番なのですが、その前に「無料で電子本を読むことができる公開サイト」について簡単に述べてみましょう。
その理由はこのブログのきっかけになったある議員さんが「小中学生全員にタブレットが貸与されるのでうまく活用したい」と言っていたからです。タブレットを使って無料で電子本を読むには、「電子本を貸出してくれる図書館を探す」「著作権の消滅した本などを公開しているサイトを訪ねる」といった方法があります。
世界的に見ると電子本を貸し出す電子図書館の普及はかなり進んでいますが、日本では数%の図書館が電子本の貸出を行っているに過ぎません。
少し古いデータですが、2018年時点で電子図書館サービスを提供している図書館は80館というデータがありました。日本全体の図書館数は1,300館程度ですから6%程度になります。
私が住んでいる西東京市の図書館は電子図書館サービスは行っていませんが、「自宅で読める電子書籍等のご紹介」というコーナーを設けて、「青空文庫」や国会図書館デジタルコレクションを紹介しています。青空文庫というのは、著作権が消滅した本などをインターネット上で公開している電子図書館です。
また世界的に見るとInternet Archiveというサイトが無料で本、音楽、映画などの貸出を行っています。私は試しに登録し本の貸出を行ってみました。
登録は非常に簡単で著者名などで検索も簡単ですが、提供されている本の状態(PDFの状態)は必ずしも読み易いものではありません。
なおこのサイトの検索バーは日本語でも検索が可能で、試しに藤沢周平と入れてみると「竹光始末」などの本が出てきました。
小中学生が貸与されたタブレットを使って電子本にアクセスするということになれば、このような無料で質の高い本を読むことができるサイトの使い方を提案するところから始める必要があるでしょうね。また出版業界との調整は必要ですが、日本の電子図書館サービスをもっと充実させる必要がありますね。
タブレットを配っても、質の高いコンテンツにアクセスできなければ、まさに「仏作って魂入れず」ですから。