先週土曜日(11月7日)に米国大統領選挙は、バイデン候補が激戦のペンシルバニアを制したことで同氏の当選が確定した、とマスコミは報じました。それに合わせて諸外国のトップからも祝辞が届いています。
日曜日には米国株先物市場ではダウが349ポイント上昇し、今日の東京市場では日経平均が514円(2.1%)上昇しています。
また米国ではブッシュ元大統領(共和党)が民主党のバイデン候補に祝辞を送ったというニュースが流れていました。つまりマスコミ・外国のトップ・株式市場そして相手方の共和党の大物もバイデン候補の勝利を認めているのです。
この中で「投票の不正を理由に訴訟合戦に持ち込もう」としているのがトランプ大統領なのです。この訴訟については実効性はほとんどないというのが専門家の見解です。つまり票の再集計や不正票のあぶり出しを行っても、数百票程度の話で選挙の結果を左右するものではないというのが専門家の判断です。
ではなぜトランプ大統領はそこまでして大統領の椅子に固執するのでしょうか?
私はこのことをずっと疑問に思ってきたのですが、今日ネットでThe New Yorkerの"Why Trump can't afford to lose"という記事を読んでその疑問の一つの答を見出しました。
記事によるとトランプは24の性的不法行為を含む推定4千件もの訴訟を受ける可能性があり、現在は大統領の免責特権で訴追を免れているものの、大統領を辞めると訴追を受け多額の弁護士費用を支払う必要があるということです。
このような情報は裏を取る必要があるのですが、Why Trump can't lose electionといった項目で検索しても、それほど多くの情報は得られませんでした。その中で9月29日のCNNはシカゴ大学のダニエル・ヘメル法学部教授が「トランプは大統領選挙で負けると政治生命が終わりになるだけでなく、潜在的には個人生活と財産面の破綻に繋がる可能性が高い」と述べていると報じいています。この記事は大統領を辞任した後、トランプが脱税で訴追される可能性が高いことを示唆しています。
私は「トランプ大統領が大統領の免責特権を失うことを恐れて法廷闘争を目論んでいる」というのはかなり説得力の高い説明ではないか?と考えていますが、皆さんはどうお考えでしょうか?
なおすでに市場はバイデン勝利で回りだしているので、トランプが大統領の椅子にしがみつこうとする理由がなんであれあまり影響はないと思いますが興味本位の話題までに。