昨日(10月29日)の米国株はダウ、S&P500、ナスダックとも新高値を記録した。
10月を通じてダウは5.8%、S&P500は6.9%、ナスダックは7.3%上昇した。
株高にドル高が加わり、日本から米国株に投資している人にはホクホクの月だったと思う。
株価が下落した9月はサプライチェーンの乱れによる品不足と金利上昇が重しになった。
10月の始め頃の株価は方向が定まらなかったが、金利上昇が一服し、好調な第3四半期決算の発表が続く中、個人投資家の押し目買いの動きが強まり、株価を押し上げたようだ。
だが金利上昇やサプライチェーンの問題が片付いた訳ではない。
サプライチェーンの問題については、GAAFの立役者アップルとアマゾンの決算に如実に表れ、10月の最終日にアップル株は1.8%、アマゾン株は2.2%下落した。
アップルはサプライチェーンの乱れからくるチップ不足でiPhoneの販売額が、市場予想の415億ドルに届かず389億ドルに終わった。
アップルの株価が下落する一方、今週好決算を発表したマイクロソフトの株価は上昇し、時価総額でマイクロソフトがアップルを抜き、世界最大の会社となった。
マイクロソフトはジョンソンアンドジョンソンと共に世界に二つしかないAAAの企業で紛れもなく世界最強の会社だが時価総額でもトップに立った訳だ。今のマイクロソフトの強みは、独占問題について規制当局との係争リスクが少ないことだ。マイクロソフトは今世紀初めに独占問題について当局と和解し、この問題を解決していると見られているからだ。
しかしマイクロソフトとアップルの時価総額世界一競争は終わった訳ではない。このような競争は投資家には好ましいことだから競い合って欲しいものである。
終わった訳でないといえば、サプライチェーン問題もインフレ懸念も政策金利引き上げも終わった訳ではない。株高の10月はほっと一息に過ぎないかもしれないと思っておいた方が無難だろう。