金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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日本と韓国、マスク大国で分かれるマスク外し対応

2023年01月21日 | ニュース
 今日(1月21日)のトップニュースの一つは「岸田首相が新型コロナウイルスを感染法上の分類を2類から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げると表明した」という話だ。
 政府関係者によると移行時期は5月の連休前後になるらしい。
 うがった見方をすれば5月19日~21日に予定されている広島サミットの前に世界中の物笑いのたねになっている過剰なマスク着用を止めてたいと岸田首相が考えていることの現れともいえる。
 テレビのニュースで見ると岸田首相はマスクをせずに会見に臨んでいるが、お供の多くの人はまだマスクを着用しているので、上意下達いまだ進んずというところかもしれない。
 私は徹底したアンチマスク派だが、それはマスクが鬱陶しいからだけではない。多くの点でコミュニケーションを阻害し、特に子供たちに将来にわたって大きなマイナスの影響を与える可能性があるからだ。
 さてWSJにMask-Wearing Champion Japan and South Korea look to end the habitという記事がでていた。日韓というマスク着用大国がその習慣の終わりに向かっているというタイトルだ。
 コロナウイルスによる死亡率は、日本が米国の1/6で韓国の1/5(Our World in Dateによる)だから、日韓とも同じレベルだ。
 だがマスク外しに関する世論は随分違う。
 韓国は感染が低下傾向にあるとして「室内マスク着用法令」(韓国では法律でマスク着用が義務付けられている)1月30日にマスク着用令を廃止するだろうと記事は述べている。
 韓国ではマスク着用廃止は広く国民の支持を受けている。12月に韓国商務省が行った調査では3/4が室内マスク着用の廃止を指示し、既に大部分の人が屋外でのマスク着用を廃止している。
 日本はまったく逆の状態だ。
 12月にMyVoiceが行った世論調査では80%の人がマスク着用を支持し、コロナ感染が終了した後も一定の条件下ではマスクを着用したいと述べている。
 日本は韓国と異なり、法律的にマスクの着用を義務付けていないが、多くの場面で事実上マスクの着用が求められている。レストランなどで「マスクの着用をお願いします」といわれるように。
 私が昨年ニューヨークに旅行した時は、バスなど公共交通機関の中では法律でマスク着用が求められていたので、着用率は9割程度だったが、街を歩いている人やレストランの中でマスクを着用している人はほとんどいなかった。
 なぜ日本人は法律で求められなくもマスクをしたがるのか?というのは、社会学的にはきっと面白い研究テーマだと思う。
 記事は中央大学の山口雅美教授(心理学)の「10代の女子は顔を見せたがらず、付き合っているカップルがお互いの顔をみたことがないケースもある。また赤ちゃんが顔を認識する能力に障害をきたす可能性がある」と指摘している。
 私は日本人は押しなべて欧米人に較べて日本人のコミュニケーションスキルは低いと判断しているが、マスク着用が長引くとますますコミュニケーション能力が低下するのではないか?と懸念している。
 多くのものごとには、プラスとマイナスの面がある。マスク着用議論もプラスマイナス両面を考えて行われるべきだが、議論が感覚的かつ一方的になっているようだ。マスク議論で問われているのは我々の問題解決能力かもしれない。
コメント
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