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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

マイナンバーカード、返納はデメリット大だと思うが・・

2023年07月13日 | うんちく・小ネタ
 一部にマイナンバーカード返納の動きがあるようですね。
 政府の「健康保険証のマイナンバーカードとの一体化」に抗議する目的とか「マイナンバーカードを持つことによるリスク回避」が原因と言われています。
 でもリスク回避の観点からすればマイナンバーカード返納はメリットよりデメリットの方がはるかに大きいでしょう。
 そもそもマイナンバーカードを持っていることによるリスクとは何でしょうか?
 よく「個人情報が漏洩するリスクがある」ということを耳にしますが、マイナンバーカードを返納しても、マイナンバーは残ります。マイナンバーがある限り、役所などの誤操作により、自分のマイナンバーと他人の情報(健康保険証など)が紐づけられるリスクは残ります。そのリスクはカードを返納しても減るものではないでしょう。
 「マイナンバーカードを持ち歩いて紛失や盗難にあうリスクがある」という意見も耳にします。確かにそのリスクはありますが、持ち運ばざるを得ない重要なものは総てそのリスクを伴っています。運転免許証、クレジットカード、銀行のキャッシュカード、スマートフォンなど総てのものは紛失、盗難リスクを持っています。紛失した時のリスクや不便さはマイナンバーカードよりスマートフォンの方が大きいでしょう。
 紛失・盗難リスクを避ける方法は「持ち歩かない」ことです。すでにAndroid端末ではスマートフォンからマイナンバーカードを読み取らずにマイナポータルにアクセスし、様々なマイナンバーカード関連サービスを利用できるようになっていますから、マイナンバーカードを持ち歩く必要性は少し減ったといえるでしょう。今年5月に河野デジタル大臣は「2024年4月にはスマートフォンを健康保険証として使えるサービスの開始をめざす」といっていました。昨今のもたつきを見ていると来年4月は難しいでしょうが、いずれはスマートフォンが健康保険証を代用する日が来ると思います。
 そうするとマイナンバーカード持ち歩きのリスクはスマートフォン持ち歩きのリスクに置き換わる訳ですね。
 また「マイナンバーカードには有効期限があるので更新に時間がかかる」というデメリットを指摘する人がいます。これはそのとおりだと思います。
 世の中のものは「一方的にメリットがある」とか「一方的にデメリットがある」というものは少なく、比較考量してメリットがデメリットより大きければ採択し、少なければ採択しないというのが賢い対応方法です。
 マイナンバーカードのメリットについては「顔写真付き本人確認書類」「コンビニに各種証明の取得」「マイナポータルで年金情報の確認」など色々なものがあります。
 これらの機能開発には、間違いなく我々納税者が払った多額の税金が使われていますし、今後も色々な機能開発に税金が使われ続けるでしょう。
 それなのに、マイナンバーカードのメッリトを刈り取らずに、税金だけ取られてお終いというのはそろばんに合いませんね。
 リスク回避の観点からは「時々マイナポータルをチェックして紐づけられている自分の情報が正しいかどうか?」をチェックする位の方が良いでしょうね。

 
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米、インフレ鎮静化傾向ながら今月の政策金利動向は微妙か?

2023年07月13日 | 投資
 昨日(7月12日)発表された米国のCPIは、事前予想(ダウ・ジョーンズ)3.1%を下回る3%(前月比はプラス0.2%)だった。これは2021年3月以降で一番低いインフレ率となった。
 食糧・エネルギーを除いたコアインフレ率は4.8%(予想は5%)で、こちらは2021年10月以降で一番低い数字となった。
 インフレ鎮静化の要因は中古車価格や航空運賃が下落したことだが、住宅コストは高止まりした。住宅コストはCPIの約1/3を構成する。住宅コスト指数は年率ベースで7.8%上昇した。労働統計局によると住宅コストの上昇が先月のインフレ率上昇の約7割の要因になっているということだ。
 昨日米国株はインフレ鎮静化を交換して上昇した。
 これまでの連続的な政策金利引き上げの効果が出てきたことは間違いなく、連銀も一息ついているだろう。
 ただし連銀が今月末のFOMCで政策金利の引き上げを見送るかあるいは引上げを行うかは微妙なようだ。
 連銀は物価全般のインフレ率よりも、食糧・エネルギーを除外したコアインフレ率を重視する傾向があり、こちらはまだ連銀目標の2%を大幅に超えているので、政策金利の引き上げがあるとアナリストも多い。
 為替市場が急速に円高に動いているのを見ると金利引き上げ見送りを予想する人が増えている気もするが・・・・
 いずれにせよ、今回のインフレの鎮静化が見えてきたことは歓迎すべきことだ。
 
 


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