金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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9年ぶりの薬師沢小屋、年は取っても感動は衰えず

2023年07月21日 | うんちく・小ネタ
先日山仲間と薬師沢小屋に泊まって、北アルプスの秘境・雲ノ平を歩きました。薬師沢小屋は黒部渓谷奥廊下の入り口に建つ小振りな小屋だ。
ここに泊まる登山客は、雲ノ平に向かうか高天ヶ原に向かうか、あるいは奥廊下から赤木沢を遡行するか、あるいは薬師沢など枝沢に竿を入れて岩魚を釣るかといったややマイナーなアウトドア派が多い。
 私は9年前の秋にこの小屋に泊まり、赤木沢の遡行を満喫したことがあり、その時からいずれまたここに来て今度はのんびりと雲ノ平を散策したいと考えていた。

この9年の間に両親が他界した。コロナが蔓延し始めた頃70歳になった私はリタイアした。体力的には余り衰えは感じないものの、バランス感覚は切れ味が悪くなったと感じ始めたので、道なき道を辿る沢登りは止めて、登山道を歩くことにした。
 サミュエル・ウルマンの「青春」という詩には次のような句がある。
「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。・・・情熱を失えば心はしぼむ。苦悩・恐怖・失望により気力は地に這い、精神は芥となる」
確かに目標ややりたいことを失うと老い始めると思う。一方で若い時の夢を、例えば厳しい岩登りや沢登りを追い求めていると必ず遭難事故を起こす。なぜなら体力や特にバランス力がついていかないからだ。
 だから目標ややりたいことを上手く修正していくことが大事なのだ。その時その時で自分の肉体ができることに目標を修正していく作業ができるかどうかが、賢く年を取る方法なのだろう。
 佐藤一斎は言志耋録の中で「身には老少あれども、而も心には老少なし」と言っている。体力や体の機能は老化するが、気持ちは若く持ちたいものである。

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