昨日(7月26日)米連銀の連邦公開市場員会は、全員一致で政策金利の0.25%引き上げを決定した。この結果政策金利は5.25%~5.5%のレンジとなる。
これは過去22年間で最高の水準だ。
パウエル議長は「この利上げがインフレ抑制のために行ってきた一連の政策金利引き上げの最後のものになるかどうか結論付けるのは早過ぎる」「連銀が今後金利を引き上げるかどうは今後数カ月の経済の状況、特にインフレ動向で決まるだろう」と述べた。
昨日の株価はダウが0.23%と上昇と、13日連続の上昇となったが、S&P500とナスダックは小幅下落した。なおその後の先物市場では今のところ3つのindexとも堅調なので、今回の利上げは投資家の予想範囲で、リセッションなしにインフレを押さえ込むことができるという楽観論が優勢を占めている。
このあたりのニュアンスを伝える記事がWSJにでている。Investors can read the Fed's poker face.という記事だ。
記事の書き出しは「連銀の政策立案者が、再利上げを行う理由がないことは判明するかもしれない。しかし、彼等は今それをいう理由はない」というものだ。
今回の利上げ発表の後、金利先物の世界では年内に再利上げがあるという確率は1/3になり、来年末までに政策金利は現在の水準から1%以上下落することが示唆されている。
記事は「連銀の政策金利立案者の大部分はこれ以上の利上げはないという投資家の読みに同意する可能性が高いが、利上げを行わないと示唆した場合、投資家はそれを織り込んで行動するので、長期金利が低下し、住宅ローンの拡大などインフレ圧力を高める可能性があるので、金利据え置きを簡単には口にしないだろう」と述べている。
つまり連銀は実態以上にタカ派的に見せかけているのだ、という判断だ。
少なくとも昨日のマーケットを見る限り、これが最後に利上げだろうと判断した投資家が多かったことは間違いない。その予想が正しいかどうかは分からないが。