人工知能はビジネス分野などで利用が進んでいると思いますが、私は語学教育分野でも非常に利用価値が高いと考えています。
その理由はとても簡単で、人工知能の代表選手であるChatGPTのような言語生成AIの本質は、自然言語処理だからです。つまり英語、日本語など多数の言語の文法や言葉の用法について精通しています。
色々な事実の検索については、たまに間違った出力をするので、物議をかもす人工知能ですが、多言語にまたがる文法能力については、並の人間が及ぶレベルではありません。
したがって私も外国人向け日本語レッスンでは、人工知能を大いに活用しています。
その一例としてChatGPTに「英語に訳し難い日本語を100選んで、おおよその訳と説明を英語で書いてCSVで出力して欲しい」というプロンプト(命令文)を与えました。この命令自体「英語に訳し難い日本語を日本語に訳せ」といっている訳ですから、矛盾をはらんでいますね。
でもかなりよくやってくれました。
英語に訳し難い日本語の例として「いただきます」という言葉があります。
大多数の日本人はご飯を食べる前に「いただきます」といいますが、英語圏の人は何もいいません。だから「いただきます」の英訳はないのです。
しかし人工知能はがんばってI hunbly recieveという訳をひねり出しました.
これは「謹んでお受けします」という意味になりますが、「いただきます」ではないでしょうね。頂きますについてはSaid befor a meal to express gratitue in Japanという説明しかないと思いますよ。
という具合に違和感のある回答もあったのですが、「お世話になります」とか「おつかれさまです」とかすぐに適切な英語を思い出せないような~あまり外国人との会話ででてこないような~日本語についても良い訳語をつけてくれました。
人工知能については100%その英訳に頼ることはできませんが、外国人に日本語を教える時の強いパートナーであることは間違いありません。