今年の連休は天気が不安定だった。山岳地域のみならず、平野部でも竜巻が猛威を振るうなどかなり荒れた天候だった。ゴールデンウィークというと、五月の青空に鯉のぼりが舞う晴天をイメージするが、実際のところは大気が不安定で晴天が長続きすることは少ない。
ゴールデンウィーク中には幾つか山岳遭難事故があったが、人数面では北九州市の医師らのパーティ6名全員がなくなった白馬岳の遭難が最大規模だ。
白馬岳は穂高岳や剣岳に較べると、険しい岩場を登るルートは少なく、北アルプスの中では穏やかで登り易い山というイメージがある。実際夏山シーズンを中心に多くの登山者を迎えている。だが山岳遭難、特に一つの事故による「大量遭難死」が発生するという点では、トップクラスに危険な山でもある。平成に入ってからの白馬での大量死亡山岳事故を見ると、18年4月に蓮華温泉に向かった山スキーヤー3名が死亡、23年5月に大雪渓の雪崩で3名死亡という記事が見つかる。
また大雪渓を中心とした落石、スリップ、転倒による事故も多い。
白馬岳で山岳事故が多い理由を推測してみた。
第一はアプローチが便利(JRの駅から近い・高速バスの運行が多い)で、登山者が多い。そのため夏の大雪渓上部では人口落石の危険性が高い。
第二は積雪期でもゴンドラやヘリでかなり上(標高2千メートルの天狗原)まで簡単に入山できる。(これは私が以前GWに白馬に入った時のブログ →http://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20060506)
このため軽装で入山する山スキーヤーは登山者が多い。
第三は白馬乗鞍岳周辺は広大で天候悪化時にルートを見失う可能性が高いということだろう。
最後には日本海に近いため、北アルプス南部(穂高等)に較べると積雪が多く、天候の変化が激しいことがあげられる。
6名の方のご冥福をお祈りするとともに、他山の石としたいことである。
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