私のブログの愛読者の方から「なぜ、日本ではクルド・オイルをWTIって言うのですか?」という質問を頂いた。ご期待にそうかどうか分からないが、私の理解しているところをお伝えしたい。
クルドCrudeは「粗野な」「未精製」という意味でクルド・オイルCrude oilは原油という意味だ。クルド・オイル(以下原油)は、硫黄分の多寡により「軽質油」と「重質油」に区分される。一番硫黄分が少なく、ガソリンやジェット燃料に適しているのが、WTI(West Texas Intermidiate)と呼ばれる米国のテキサス州周辺で採掘される原油で軽質油の代表格だ。WTIの先物はニューヨーク・マーカンタイル取引所においてNYMEX Light Sweet Crudeとして取引が行われている。取引時間帯は電子取引の場合、日曜日から金曜日まで週6日間、毎日45分の休憩時間を除いて23時間15分取引が行われる。原油市場にはこの他北海ブレントを取引するロンドン国際石油取引所などがあるが、指標性としてはWTIが一番高い。世界各地で産出される原油の価格は質(硫黄分の多寡など)の差があるので、少しずつ異なるがベースとなるのはWTI価格である。つまり世界の原油価格が決まる市場がニューヨーク・マーカンタイル取引所である。
因みに三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートhttp://www.murc.jp/report/research/crudeoil/2008/080111.pdfにも「原油相場(WTI、期近物)」という使い方をしている。
ということで少しはお役に立ったでしょうか?
では、どうかお体にはお気を付けてください。ありがとうございました。