「人間は現実からしかスタートできない」というのは、著名な経営学者ピーター・ドラッカーの言葉です。ピーター・ドラッカーは「未来を語る前に今の現実を知らなければならない。人間は現実からしかスタートできないのだから」と述べています。
私が拙著「ライフプランノートを作る」で強調していることも、まず金融資産や自分の知識・経験あるいは友人などのネットワークといった無形資産を棚卸することです。
こうして自分の現実を把握しながら、自分のやりたいことを明確にしていくのが、ライフプランの作成です。ライフプランは「戦略」です。その「戦略」を実現するために下位概念の「作戦」や「戦術」が存在します。
現実に立脚しない戦略は夢物語であり成就することはありません。
「知能の現実」ということを考えると、過去の学習や経験に基づく「結晶性知能」は60歳位まで上昇を続け、それ以降もほとんど低下しないと言われています。一方もう一つの知能である「流動性知能」~経験に依存しない問題解決能力などは、年齢とともに衰えていきます。
年をとっても比較的当てにできるのが、「結晶性知能」ですが、その水準はシニアライフが始まる時点で決まっているということができるでしょう。それが現実なのです。
人間は現実からしかスタートできないのですが、その現実は長い間の経験や努力の集積なのです。
良いシニアライフを送ろうと思うのであれば、若い時から知性・体力・人脈・経済力などを充実していかないといけないということです。
ちまたに見かけるシニアライフに関する本は、楽観的なものが多いと私は感じています。それはおそらくある程度成功した人が自分の体験をもとに本を書いているからだと思います。
元気を貰うという点では参考になりますが、一人一人のライフプランを作成する上でどれ程役に立つかはわからないと思います。
人間は現実からしかスタートできないのであり、その現実は自分で洗い出すしかないからです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます