今月(六月号)の文芸春秋に載っていた「西日本大震災に備えよ」(京都大学教授・鎌田浩毅氏)を読むと、日本列島が大地殻変動期に入っているのではないか?と改めて考えさせられた。
実は私は2年ほど前から自分の登山経験から何となく日本列島だけでなく、アジア全域が震災期に入っているような気がしていた。というのは「自分が登った後」あるいは「登ろうと計画した時」に幾つかの地震や火山の噴火が起きていたからだ。
近いところでは先月起きた熊本地震だ。昨年の6月私は2人の仲間と大分の由布岳から九重連峰に登った。6月に行った理由はその時期がミヤマキリシマが咲き誇る一番美しい季節だからだ。だが今回の地震で由布岳は登山禁止になり、九重連峰では落石や亀裂が発生しているので「登山を見合わせるか自己の判断で十分注意して登るように」警告が出ている。
一昨年9月には御嶽山の噴火があった。噴火当日私は南アルプスの北岳と間ノ岳を登っていた。雲のため噴煙を見ることはできなかったが、御嶽噴火のニュースに山小屋がざわめいていたことを思い出す。
実は御嶽山にはその年の5月にスキー登山を行っていた。御嶽山には学生時代から数度登っているが、噴火するなどと考えたことは一度もなかった。御嶽山の噴火が数か月早かったならどうなっていたか?と肝を冷やす思いでニュースを追っていた。
海外に目を向けると昨年4月にはネパールで大地震があった。ネパールにはその前の年まで3年連続でトレッキングに出かけていたが、地震が起きるなどということは考えたこともなかった。昨年は地震後の大混乱があるのでトレッキングは中止した。
また昨年は秋にボルネオのキナバル山に登る予定をたて、山小屋の予約まで済ませていたが、6月に地震が起こり登山禁止となってしまった。
以上のような自分の登山経験を振り返るとここ2,3年は結構「地震や火山噴火とニアミスを起こしている」のである。
地震や火山噴火に捲きこまれなかったのは、幸運に過ぎなかったのかもしれない。
学生時代からの登山経験を通じてこれ程地震や火山噴火とニアミスしたことはない。これは1946年の昭和南海地震から1995年の阪神・淡路大震災までの50年間が「地震の静穏期」だったことの恩恵を受けていたのだろう。
私は地震学の門外漢なので、日本で活発化しつつある地震活動とネパールやボルネオ島の地震の関係は分らない。ただ現象面を見ると、アジアのあちらこちらで地震活動が活発化しているような印象を受ける。
ところで文芸春秋の記事に戻ると鎌田教授は「今から20年後、2030年プラスマイナス5年の間に南海トラフ巨大地震(M9.1 )が起きる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
同教授によると南海トラフ地震は震源地が西日本の海岸に近いため巨大津波が発生するという。
地震学については全くの門外漢であるが、ここ数年の自分の登山計画と地震・火山噴火の関係を見ると、それまでの数十年とは違う何かが起きているような気がしてならない。日本がそしてアジア全体が地震活動の活発期に入ったのだろうか?
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